大好評インタビューシリーズ第8弾です
こんなにおもしろい社労士の仕事
こんなにおもしろい社労士の仕事
の著者であり、
開業社会保険労務士の竹内睦先生にインタビューしてきました!
巣鴨にある竹内社労士事務所にお邪魔してしまいました。
竹内 睦(たけうち むつみ)先生
昭和34年 福島県会津若松市生まれ
昭和57年 明治大学経営学部卒
同年大和證券株式会社へ入社、以後外資系証券会社等を経て、
平成8年 第28回社会保険労務士試験合格。翌月に独立開業。
現在竹内社労士事務所は、社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー、行政書士、医業経営コンサルタント、産業カウンセラー等各専門分野のプロで構成された15人のスペシャリスト集団。
顧問先を含むニュースレター送付先は毎月2,300社を越え、業界内屈指の規模を誇る社労士事務所となっている。
どら「はじめまして!今日はお忙しい中お時間とっていただきましてありがとうございます。どうぞよろしくお願い致します」
竹内先生「こちらこそよろしくお願いします。」
こんなにおもしろい社労士の仕事
どら「竹内先生の本『こんなにおもしろい社労士の仕事』、楽しく読ませていただきました。竹内先生は平成8年に社労士試験に合格して、翌月にはもう開業され、今や15名の事務所という業界内屈指に規模ですね。社労士というものを知る以前から経営者をサポートする仕事をしたいと考えられていたそうですね」
竹内先生「社労士以前に社長業というものに興味があったんです。自分で経営をしたかった。」
どら「今はその頃の夢が叶ったという感じですか?」
竹内先生「そうでしょうね。自分も社労士事務所の社長として、スタッフの給与を決めたり労務管理の実務をしたりしていて、しかも経営者のサポート業をやっているわけですからね。自分の本当にやりたいことをやっていますね。理想的です。」
どら「素晴らしいですね。本のタイトル『こんなにおもしろい』ってありますが、だから社労士はおもしろいって思う時ってどんな時ですか?」
竹内先生「実はこの仕事は8つ目なんです。過去の7つの仕事と、社労士と一番の違いは何かと言うと、心からありがとうと言われることです。私は仕事のご依頼をいただいた時にありがとうとは言いません。
労務トラブルなどの相談に来られて、お恥ずかしい話で恐縮なんですがと切り出す社長さんの話を聞くだけでまずありがとうございますと言われ、無事に解決してありがとうございますと言われる。そしてこちらが提示している適正な価格の報酬をご了解の上でお支払いいただく。
そこがこれまでの仕事とは際立って違うところです。
ドクターにそっくりかもしれませんね」
どら「なるほど。会社の悪いところを治療したり予防したりする。」
竹内先生「お医者さんは今日来てくれてありがとうとは言わないでしょう?もちろん、報酬をくださってありがとうございますという気持ちはありますよ。
こういう仕事は限定された職業って気がしますね。
経営者の方に、ありがとうございます、よろしくお願いします、お話してスッカリ気持ちが楽になりましたと言われて、私は、大丈夫ですよ、世の中のトラブルは最後は必ず解決してますからね、今日はご苦労様でしたとお声かけをしてね。」
経営派社会保険労務士
どら「竹内先生は社長を守る会というのを作られていますよね」
竹内先生「はい。徹底的に、100%経営者側、社長の味方。経営派社会保険労務士それがUSPです。30秒以内で一言で伝わるものを持っていないとね。」
どら「現在のお仕事の中心は社長さんからの労務相談っていうことになりますか?」
竹内先生「社長さんと従業員との個別のトラブルもあるし、従業員が労働基準監督署にかけこんだ場合とか、外部の労働組合に行くケースもありますよね。それからADR(裁判外紛争解決)のあっせんですね。トラブルが起こったときの対応が、事務所の中でも私のポジションです。やはり従業員とのトラブルに悩む社長の気持ちって、経営者でないとわからないことがありますからね。
あとはセミナー等を通じて、社長の味方の社労士事務所なんだということを情報発信しています。事務所経営者としての営業の最前線ですよね。」
どら「セミナーを結構頻繁にやられていますよね」
竹内先生「自社開催を月に2回やるほか、金融機関がスポンサーのものもありますから、年間80回くらいしゃべっているんじゃないでしょうか」
どら「こちらの事務所内にセミナールームがあるんですよね」
竹内先生「そうなんですよ。」
どら「そこで先日SUGAMOセミナーが開催されたんですね」
竹内先生「おかげさまで30名も来ていただいて、盛況でした。
北村先生のプロゼミでお話させていただくこともあるんですが、私の本を読んで受験を決意し、勉強中モチベーションが下がった時にまた読んで、合格してからまた読みましたって言ってくれる方なんかもいました。そうやってコメントいただけると嬉しいですね。1年かかって書いた本ですから。」
どら「これから受験する方にとっても、開業を考えている方にとってもすごく参考になる素晴らしい本ですよね。これだけのボリュームがありますし、きっと執筆は大変だったでしょうね。」
竹内先生「毎週日曜日に夜中までかかって原稿書いているという感じでしたよ。感慨深いものがあります。
2005年に初版を出していますから、今の毎日めまぐるしく新しい労務相談が来る状況については書いていないですね。それから今はマーケティングについてもっと力を入れています。」
どら「マレーシアで行われたジェイエイブラハムのセミナーに行かれたことが少し書かれていましたよね」
竹内先生「やはり、マーケティングと営業と実務のバランスが重要だと思います。マーケティングばかりやっても、実務を知らないことになってしまう。実務ばかり勉強しても、お客さんがいなければ意味がない。
私はもともと営業だったので、お客さんをとってくるということに関してはあまり苦労はなかったですけどね」
営業は苦手でもいい
どら「そうですよね。大手証券会社の営業をされていた。
社労士の資格をとる人は営業を苦手とされている方が多い気がするんですけど、そういう方になにかアドバイスはありますか?」
竹内先生「自分の得意な分野でお仕事を開拓されるのがいいと思いますよ。得意な分野というのは、これまでやってきたことがベースなんですよね。私は営業をずっとやってきているのでそれをベースにしていますが、企業の総務をやってきた方はそれをベースにおやりになればいいし、経理とかSEとかね。それぞれ社会保険労務士である前に、自営業になるということですから。自営業というのは、指示命令する人もいないし、好きなクライアントとつきあえばいいし、提供する商品にしたって自分がメーカーになるわけでしょう。
例えば100人の社労士がいて、自分のやってきたことならその中で必ず一番になれます。
だけど多くの方を見ていると、社会保険労務士とはこういう仕事だからっていって、今までやったことのない仕事を一生懸命やろうとしている。
例えば、これまで人事をやっていて、就業規則をいくつも作ってきたという方なら、開業して就業規則作成をすぐできますよね。今までやったこともないのに、ブームだからといっていきなりやろうとしても、お客さんは獲得できないですよ。」
どら「うーん、なるほど。今までやってきたこと・・・」
竹内先生「自分がやってきたことしかできないですよね。私はそう思います。
ほとんどの方は社労士に『なろう』とする。でも、登録したらもう社労士なんですよね。離職票書かなきゃいけないわけでも就業規則作らなきゃいけないわけでもないです。100人開業したら、みんな同じことをやろうとするでしょう?しかもやったことのないことをやろうとする。それで、何が一番ブームなのかとか儲かるのかって追いかけていると、気付いたら時間ばかり経っているということになってしまうのではないでしょうか。」
どら「そうですねー。社労士の仕事とはこういうものだっていうのがあったり・・・」
竹内先生「気持ちはわかるんですけどね。私の事務所だって、14,5人でやっていてもやるべき事は、まだまだ不足があるわけです。たった1人ではじめて、何でもやろうとすることないんです」
どら「なるほど・・・もし営業が苦手でもそこまで気にする必要ないんですね」
竹内先生「そうです。なんで苦手なことをやろうとするのかなー。やらなきゃいいじゃない。これまでやってきた得意なことが実務に結びつくのであれば、マーケティングの得意な方と営業の得意な方と組めばいいんですよ。組む相手は社労士である必要はなくて、うまくアライアンスすればいい。
不得意なことをやろうとする人が多いわけですね」
どら「はい。おっしゃる通りですね〜」
竹内先生「まず得意なことで差別化して一番を目指す。並行して、例えば税理士100人の輪の中に入るんです。そうすれば、社労士は自分だけなんだからとっても簡単にナンバーワンになれますから。100人のうち2,3人は、自分の顧問先でこういう悩みがあるんだけど・・・って相談に来てくれますよ。
同業だけで集まるのは精神安定のためだけですね(笑)」
どら「精神安定ですか(笑)」
竹内先生「同業の中にいても、好い仕事は来ません。私は、開業から4,5年は、極力同業がいない場に顔を出してました。」
どら「それは例えば他士業だったりコンサルタントさんだったりということですか?」
目立って選ばれる方法
竹内先生「そうですね。同業が5人も10人もいるところに行っても、目立たないでしょう?目立たないことにはチョイスされないんですから。
目立つには、名刺とかホームページとかメール、DMとか、紹介を頼むとか、小冊子を配るとか、・・・色々な露出の仕方があるわけです。本来全部やらなきゃダメだよね。時間と予算があれば全部やるんです。ジェイの本(『ハイパワーマーケティング』)にも書いてあるけど全てのアイデアを実行に移すということ。
そうすれば色々なところからクライアントが来ます。追いかける必要はなくて、積極的に手を打って、後は必死に実務をガンバリながらアタリを待っていればいいんです。」
どら「全部大事なんですね」
竹内先生「でも全部同時にはできませんけどね。1人でできることはたかが知れています。」
どら「うまくアライアンスしていくためには、竹内先生で言う『社長を守る会』だったり、100%経営側ということだったり、紹介しやすいものが必要になるわけですね。USPと言うんでしょうか」
竹内先生「そうです。誰かに開業社労士さん紹介してよと言われたときに、どういうテーマですか?って普通は聞きますよね。100人知っていたってその人が何が得意なのか、どういう人なのかわからなければ紹介できません。例えば就業規則ならこの人っていうふうに目立っていないと。」
どら「ただ社会保険労務士って言っても何をやっているのかわかりませんものね。」
竹内先生「そのときに一番重要になってくるのが、信念とか使命感だと思うんですよね。色々な分野でたくさんの活躍されている方がいらっしゃるけれども、ここについては自分がやらずに誰がやるんだ!というね。使命感に燃える仕事だと、利益とか損失とかあまり関係なくなってくるんです。そういう想いでやると、不思議といいお客さんがついて、適正な価格で仕事ができるんですよ。
何が儲かるとか何がブームだとか、1.2号業務ではなくてこれからは3号だなんて言っていると、なかなかうまくいかないんです。
儲けるだけだったら社労士じゃなくていいわけです。
せっかく苦労してとった資格を、あまり陳腐なものに使いたくないですよ。
私は、経営者のサポート業というのを、自分の仕事だ!と使命感を持ってやっています。
コンセプトとしてはできるだけ同業者がやらないこと、やれないことを商品化して、経営者サポートに活かしていきたいです。」
トラブルは感情
どら「先生の本の中に出てきたバースデイサイエンス(誕生日による統計心理学)ってとても面白いなと思ったんです。これをやられている方って同業者の中にいないのではないですか?誕生日でタイプ分けをして、労務管理のアドバイスをするという。」
竹内先生「はい。うちにいるコンサルタントが研究しているんですよ。生年月日の統計学を使って、トラブルを解決しているんです。」
どら「面白いですねぇ。」
竹内先生「とくに退職のトラブルなんかのときは本音でぶつかりあいますので、かなり的確です。従業員の生年月日は履歴書でわかりますので、社長の生年月日を聞けば、どんな会話がされているかっていうのはだいたいわかってしまいます。
例えばね、紛争の決着って最後にはお金なんですが、最初にお金の話をされるのがイヤな人っていますね。逆にお金の話から入らないとイヤな人もいる。
それがわかるだけでも違うんですよ。
基本は結果重視型、人柄重視型、直感重視型の3つのタイプに分けるんですが、ちなみにどらさんは?」
どら「私は調べてみたら結果重視型でした」
竹内先生「交渉のとき最初にお金の話をしたほうがいいタイプですね(笑)」
どら「そうなんですか(笑)」
竹内先生「結果重視タイプが上司で人柄重視タイプの部下という、その間のトラブルっていうのが、うちに来る相談の50%なんですよ。結果同士とか人柄同士の間のトラブルはほぼない。」
どら「へぇ〜〜〜。(感心)」
竹内先生「どのタイプの人もみんな誠実なんです。自分の価値観で考えて一番誠実な方法で対応しようとするんですが、相手の価値観は違うので伝わらないんですね。それでドロドロになるんです。」
どら「そういったトラブルっていうのはやはり、法律でこうだからって言うのではなくて、感情の面が重要ですよね」
竹内先生「うちの事務所の問題解決手法は、100%感情です。円満解決を望むなら相手の価値観に沿って対応することです。一方の当事者である社長さんのバースディも教えてもらい社長さんの感情にも配慮することは当然ですね。そこをまずクリアして、そのあとはその人の現実の生活状況が色々ありますから一つ一つチェックシートで見ていけばいいんです。」
どら「感情を重要視してコンサルティングしていくというのが、興味深いです。つい法律がどうだとか判例がどうだとかいう話になりがちなので・・・
100%感情なんですね。
バースデイサイエンスについては私はこれまで知らなかったんですが、本も売れているんですね。」
竹内先生「『生年月日の暗号―統計心理学でわかる6つの性格』
と『生年月日の真実』
の2冊ありますよ。」
どら「ぜひ読んでみたいと思います。今日は本当にたくさんのお話を聞かせていただきまして、どうもありがとうございました。」
竹内先生「こちらこそ。記事楽しみにしています。」
インタビューを終えて
とても「大きい」感じのする先生です。
写真でおわかりの通り実際も大きいですが・・・
安心して相談したくなってしまうような、雰囲気をお持ちです。
マーケティング・営業・実務のバランスが重要だということ、自分の得意なことをベースにしていけば良いこと、USPをうちだしてうまくアライアンスしていくこと・・・
例え話をおりまぜながらわかりやすく話していただき、すごく勉強になりました。
やはり、1人でできることは限られているのですよね。
得意な人と組めばいい・・・こう考えると少し気がラクになってきます。
また、バースデイサイエンスのお話もとても興味深く、ノリノリになって聞いてしまいました。
トラブルはまず「感情」だとおっしゃっていたのも印象に残っています。
竹内先生、お忙しい中お時間とっていただきまして本当にありがとうございました!!
いつも応援ありがとうございます!
一日一回ポチっとお願いします
やる気が出ます〜(。・ω・)ノ゙
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こんなにおもしろい社労士の仕事
こんなにおもしろい社労士の仕事
の著者であり、
開業社会保険労務士の竹内睦先生にインタビューしてきました!
巣鴨にある竹内社労士事務所にお邪魔してしまいました。
竹内 睦(たけうち むつみ)先生
昭和34年 福島県会津若松市生まれ
昭和57年 明治大学経営学部卒
同年大和證券株式会社へ入社、以後外資系証券会社等を経て、
平成8年 第28回社会保険労務士試験合格。翌月に独立開業。
現在竹内社労士事務所は、社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー、行政書士、医業経営コンサルタント、産業カウンセラー等各専門分野のプロで構成された15人のスペシャリスト集団。
顧問先を含むニュースレター送付先は毎月2,300社を越え、業界内屈指の規模を誇る社労士事務所となっている。
どら「はじめまして!今日はお忙しい中お時間とっていただきましてありがとうございます。どうぞよろしくお願い致します」
竹内先生「こちらこそよろしくお願いします。」
こんなにおもしろい社労士の仕事
どら「竹内先生の本『こんなにおもしろい社労士の仕事』、楽しく読ませていただきました。竹内先生は平成8年に社労士試験に合格して、翌月にはもう開業され、今や15名の事務所という業界内屈指に規模ですね。社労士というものを知る以前から経営者をサポートする仕事をしたいと考えられていたそうですね」
竹内先生「社労士以前に社長業というものに興味があったんです。自分で経営をしたかった。」
どら「今はその頃の夢が叶ったという感じですか?」
竹内先生「そうでしょうね。自分も社労士事務所の社長として、スタッフの給与を決めたり労務管理の実務をしたりしていて、しかも経営者のサポート業をやっているわけですからね。自分の本当にやりたいことをやっていますね。理想的です。」
どら「素晴らしいですね。本のタイトル『こんなにおもしろい』ってありますが、だから社労士はおもしろいって思う時ってどんな時ですか?」
竹内先生「実はこの仕事は8つ目なんです。過去の7つの仕事と、社労士と一番の違いは何かと言うと、心からありがとうと言われることです。私は仕事のご依頼をいただいた時にありがとうとは言いません。
労務トラブルなどの相談に来られて、お恥ずかしい話で恐縮なんですがと切り出す社長さんの話を聞くだけでまずありがとうございますと言われ、無事に解決してありがとうございますと言われる。そしてこちらが提示している適正な価格の報酬をご了解の上でお支払いいただく。
そこがこれまでの仕事とは際立って違うところです。
ドクターにそっくりかもしれませんね」
どら「なるほど。会社の悪いところを治療したり予防したりする。」
竹内先生「お医者さんは今日来てくれてありがとうとは言わないでしょう?もちろん、報酬をくださってありがとうございますという気持ちはありますよ。
こういう仕事は限定された職業って気がしますね。
経営者の方に、ありがとうございます、よろしくお願いします、お話してスッカリ気持ちが楽になりましたと言われて、私は、大丈夫ですよ、世の中のトラブルは最後は必ず解決してますからね、今日はご苦労様でしたとお声かけをしてね。」
経営派社会保険労務士
どら「竹内先生は社長を守る会というのを作られていますよね」
竹内先生「はい。徹底的に、100%経営者側、社長の味方。経営派社会保険労務士それがUSPです。30秒以内で一言で伝わるものを持っていないとね。」
どら「現在のお仕事の中心は社長さんからの労務相談っていうことになりますか?」
竹内先生「社長さんと従業員との個別のトラブルもあるし、従業員が労働基準監督署にかけこんだ場合とか、外部の労働組合に行くケースもありますよね。それからADR(裁判外紛争解決)のあっせんですね。トラブルが起こったときの対応が、事務所の中でも私のポジションです。やはり従業員とのトラブルに悩む社長の気持ちって、経営者でないとわからないことがありますからね。
あとはセミナー等を通じて、社長の味方の社労士事務所なんだということを情報発信しています。事務所経営者としての営業の最前線ですよね。」
どら「セミナーを結構頻繁にやられていますよね」
竹内先生「自社開催を月に2回やるほか、金融機関がスポンサーのものもありますから、年間80回くらいしゃべっているんじゃないでしょうか」
どら「こちらの事務所内にセミナールームがあるんですよね」
竹内先生「そうなんですよ。」
どら「そこで先日SUGAMOセミナーが開催されたんですね」
竹内先生「おかげさまで30名も来ていただいて、盛況でした。
北村先生のプロゼミでお話させていただくこともあるんですが、私の本を読んで受験を決意し、勉強中モチベーションが下がった時にまた読んで、合格してからまた読みましたって言ってくれる方なんかもいました。そうやってコメントいただけると嬉しいですね。1年かかって書いた本ですから。」
どら「これから受験する方にとっても、開業を考えている方にとってもすごく参考になる素晴らしい本ですよね。これだけのボリュームがありますし、きっと執筆は大変だったでしょうね。」
竹内先生「毎週日曜日に夜中までかかって原稿書いているという感じでしたよ。感慨深いものがあります。
2005年に初版を出していますから、今の毎日めまぐるしく新しい労務相談が来る状況については書いていないですね。それから今はマーケティングについてもっと力を入れています。」
どら「マレーシアで行われたジェイエイブラハムのセミナーに行かれたことが少し書かれていましたよね」
竹内先生「やはり、マーケティングと営業と実務のバランスが重要だと思います。マーケティングばかりやっても、実務を知らないことになってしまう。実務ばかり勉強しても、お客さんがいなければ意味がない。
私はもともと営業だったので、お客さんをとってくるということに関してはあまり苦労はなかったですけどね」
営業は苦手でもいい
どら「そうですよね。大手証券会社の営業をされていた。
社労士の資格をとる人は営業を苦手とされている方が多い気がするんですけど、そういう方になにかアドバイスはありますか?」
竹内先生「自分の得意な分野でお仕事を開拓されるのがいいと思いますよ。得意な分野というのは、これまでやってきたことがベースなんですよね。私は営業をずっとやってきているのでそれをベースにしていますが、企業の総務をやってきた方はそれをベースにおやりになればいいし、経理とかSEとかね。それぞれ社会保険労務士である前に、自営業になるということですから。自営業というのは、指示命令する人もいないし、好きなクライアントとつきあえばいいし、提供する商品にしたって自分がメーカーになるわけでしょう。
例えば100人の社労士がいて、自分のやってきたことならその中で必ず一番になれます。
だけど多くの方を見ていると、社会保険労務士とはこういう仕事だからっていって、今までやったことのない仕事を一生懸命やろうとしている。
例えば、これまで人事をやっていて、就業規則をいくつも作ってきたという方なら、開業して就業規則作成をすぐできますよね。今までやったこともないのに、ブームだからといっていきなりやろうとしても、お客さんは獲得できないですよ。」
どら「うーん、なるほど。今までやってきたこと・・・」
竹内先生「自分がやってきたことしかできないですよね。私はそう思います。
ほとんどの方は社労士に『なろう』とする。でも、登録したらもう社労士なんですよね。離職票書かなきゃいけないわけでも就業規則作らなきゃいけないわけでもないです。100人開業したら、みんな同じことをやろうとするでしょう?しかもやったことのないことをやろうとする。それで、何が一番ブームなのかとか儲かるのかって追いかけていると、気付いたら時間ばかり経っているということになってしまうのではないでしょうか。」
どら「そうですねー。社労士の仕事とはこういうものだっていうのがあったり・・・」
竹内先生「気持ちはわかるんですけどね。私の事務所だって、14,5人でやっていてもやるべき事は、まだまだ不足があるわけです。たった1人ではじめて、何でもやろうとすることないんです」
どら「なるほど・・・もし営業が苦手でもそこまで気にする必要ないんですね」
竹内先生「そうです。なんで苦手なことをやろうとするのかなー。やらなきゃいいじゃない。これまでやってきた得意なことが実務に結びつくのであれば、マーケティングの得意な方と営業の得意な方と組めばいいんですよ。組む相手は社労士である必要はなくて、うまくアライアンスすればいい。
不得意なことをやろうとする人が多いわけですね」
どら「はい。おっしゃる通りですね〜」
竹内先生「まず得意なことで差別化して一番を目指す。並行して、例えば税理士100人の輪の中に入るんです。そうすれば、社労士は自分だけなんだからとっても簡単にナンバーワンになれますから。100人のうち2,3人は、自分の顧問先でこういう悩みがあるんだけど・・・って相談に来てくれますよ。
同業だけで集まるのは精神安定のためだけですね(笑)」
どら「精神安定ですか(笑)」
竹内先生「同業の中にいても、好い仕事は来ません。私は、開業から4,5年は、極力同業がいない場に顔を出してました。」
どら「それは例えば他士業だったりコンサルタントさんだったりということですか?」
目立って選ばれる方法
竹内先生「そうですね。同業が5人も10人もいるところに行っても、目立たないでしょう?目立たないことにはチョイスされないんですから。
目立つには、名刺とかホームページとかメール、DMとか、紹介を頼むとか、小冊子を配るとか、・・・色々な露出の仕方があるわけです。本来全部やらなきゃダメだよね。時間と予算があれば全部やるんです。ジェイの本(『ハイパワーマーケティング』)にも書いてあるけど全てのアイデアを実行に移すということ。
そうすれば色々なところからクライアントが来ます。追いかける必要はなくて、積極的に手を打って、後は必死に実務をガンバリながらアタリを待っていればいいんです。」
どら「全部大事なんですね」
竹内先生「でも全部同時にはできませんけどね。1人でできることはたかが知れています。」
どら「うまくアライアンスしていくためには、竹内先生で言う『社長を守る会』だったり、100%経営側ということだったり、紹介しやすいものが必要になるわけですね。USPと言うんでしょうか」
竹内先生「そうです。誰かに開業社労士さん紹介してよと言われたときに、どういうテーマですか?って普通は聞きますよね。100人知っていたってその人が何が得意なのか、どういう人なのかわからなければ紹介できません。例えば就業規則ならこの人っていうふうに目立っていないと。」
どら「ただ社会保険労務士って言っても何をやっているのかわかりませんものね。」
竹内先生「そのときに一番重要になってくるのが、信念とか使命感だと思うんですよね。色々な分野でたくさんの活躍されている方がいらっしゃるけれども、ここについては自分がやらずに誰がやるんだ!というね。使命感に燃える仕事だと、利益とか損失とかあまり関係なくなってくるんです。そういう想いでやると、不思議といいお客さんがついて、適正な価格で仕事ができるんですよ。
何が儲かるとか何がブームだとか、1.2号業務ではなくてこれからは3号だなんて言っていると、なかなかうまくいかないんです。
儲けるだけだったら社労士じゃなくていいわけです。
せっかく苦労してとった資格を、あまり陳腐なものに使いたくないですよ。
私は、経営者のサポート業というのを、自分の仕事だ!と使命感を持ってやっています。
コンセプトとしてはできるだけ同業者がやらないこと、やれないことを商品化して、経営者サポートに活かしていきたいです。」
トラブルは感情
どら「先生の本の中に出てきたバースデイサイエンス(誕生日による統計心理学)ってとても面白いなと思ったんです。これをやられている方って同業者の中にいないのではないですか?誕生日でタイプ分けをして、労務管理のアドバイスをするという。」
竹内先生「はい。うちにいるコンサルタントが研究しているんですよ。生年月日の統計学を使って、トラブルを解決しているんです。」
どら「面白いですねぇ。」
竹内先生「とくに退職のトラブルなんかのときは本音でぶつかりあいますので、かなり的確です。従業員の生年月日は履歴書でわかりますので、社長の生年月日を聞けば、どんな会話がされているかっていうのはだいたいわかってしまいます。
例えばね、紛争の決着って最後にはお金なんですが、最初にお金の話をされるのがイヤな人っていますね。逆にお金の話から入らないとイヤな人もいる。
それがわかるだけでも違うんですよ。
基本は結果重視型、人柄重視型、直感重視型の3つのタイプに分けるんですが、ちなみにどらさんは?」
どら「私は調べてみたら結果重視型でした」
竹内先生「交渉のとき最初にお金の話をしたほうがいいタイプですね(笑)」
どら「そうなんですか(笑)」
竹内先生「結果重視タイプが上司で人柄重視タイプの部下という、その間のトラブルっていうのが、うちに来る相談の50%なんですよ。結果同士とか人柄同士の間のトラブルはほぼない。」
どら「へぇ〜〜〜。(感心)」
竹内先生「どのタイプの人もみんな誠実なんです。自分の価値観で考えて一番誠実な方法で対応しようとするんですが、相手の価値観は違うので伝わらないんですね。それでドロドロになるんです。」
どら「そういったトラブルっていうのはやはり、法律でこうだからって言うのではなくて、感情の面が重要ですよね」
竹内先生「うちの事務所の問題解決手法は、100%感情です。円満解決を望むなら相手の価値観に沿って対応することです。一方の当事者である社長さんのバースディも教えてもらい社長さんの感情にも配慮することは当然ですね。そこをまずクリアして、そのあとはその人の現実の生活状況が色々ありますから一つ一つチェックシートで見ていけばいいんです。」
どら「感情を重要視してコンサルティングしていくというのが、興味深いです。つい法律がどうだとか判例がどうだとかいう話になりがちなので・・・
100%感情なんですね。
バースデイサイエンスについては私はこれまで知らなかったんですが、本も売れているんですね。」
竹内先生「『生年月日の暗号―統計心理学でわかる6つの性格』
と『生年月日の真実』
の2冊ありますよ。」
どら「ぜひ読んでみたいと思います。今日は本当にたくさんのお話を聞かせていただきまして、どうもありがとうございました。」
竹内先生「こちらこそ。記事楽しみにしています。」
インタビューを終えて
とても「大きい」感じのする先生です。
写真でおわかりの通り実際も大きいですが・・・
安心して相談したくなってしまうような、雰囲気をお持ちです。
マーケティング・営業・実務のバランスが重要だということ、自分の得意なことをベースにしていけば良いこと、USPをうちだしてうまくアライアンスしていくこと・・・
例え話をおりまぜながらわかりやすく話していただき、すごく勉強になりました。
やはり、1人でできることは限られているのですよね。
得意な人と組めばいい・・・こう考えると少し気がラクになってきます。
また、バースデイサイエンスのお話もとても興味深く、ノリノリになって聞いてしまいました。
トラブルはまず「感情」だとおっしゃっていたのも印象に残っています。
竹内先生、お忙しい中お時間とっていただきまして本当にありがとうございました!!
いつも応援ありがとうございます!
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