大好評インタビュー第7弾です!
開業社会保険労務士でビジネスコーチの小林裕幸先生にインタビューしてきました!
小林裕幸先生
(開業社会保険労務士、ビジネスコーチ)
岸英光氏に師事し、コーチングを学び、2002年独立。
ビジネスコーチとして、主に、企業研修などの従業員に対するトレーニング、人事労務面でのアドバイスなどのサービスを提供している。
2007年からは、社会保険労務士業務にも進出
オフィスえいむ徒然日記

どら「今日はよろしくお願いします。」
小林先生「よろしくお願いします。」
シェアする時間
どら「先日は社労士スキルアップ研究会でコーチング(Wikipedia「コーチング」)についてお話しいただいて、ありがとうございました。
講義の中で、すごいと思ったのが、シェアする時間なんです。
ワークのあとで感じたことについてシェアする時間というのがあったじゃないですか。みんないろいろ感じたことを言うのが面白くて。
ワークのある講座というのはこれまでもいろいろ受けましたが、けっこう難しいと思うんですよね。そのあとのシェアする時間が盛り上がるというのが。じゃあ、シェアしてください、って言われても、どうしたらいいんだろう?っていうこともありましたから。」
小林先生「盛り上がりましたね。それは講師と受講者両方の問題です。私は何を言ってもいい空間を作ろうとしていて・・・
コーチングについて講義をするっていうのは、実はまだ2回目だったんですが、これまで避けてきたという部分もあります。
何を言ってもいい、何を感じてもいいというのは、講師の側からするとストーリーを作れないので、怖いんです。こんなのイヤだと出て行かれたとしても、それもありなわけですよ。
でも、もっと参加者の方のことを信じていいのではないか。何かが生まれてくることを信じていいのではないか。
それで、今回の社労士スキルアップ研究会ではもうあまり怖いとは思っていませんでしたが。」
どら「何を言ってもいい空間だからあれだけ盛り上がれるのですね。」
小林先生「みなさん活発でした。ワークやシェアを入れることで、リアリティが出てきます。一方的にこういうものなんですよって教えられても、体験しないと本当にはわからないですからね。」
どら「はい。3時間があっという間に感じたのですが、体験しているからなのでしょうね。
私が一番衝撃を受けたのは“パラダイム(枠組み)を増やす”ということです。自分の考え方や物事の捉え方よりも好ましく思える考え方、捉え方に触れたとき、自分のことをダメだと思ってしまいがちでした。でも、自分を否定するのではなく、そういったパラダイムを増やしていけばいいんだというのは、聞けてすごく良かったです。」
(2月2日ブログ「コーチングについて学ぶ」)
劣等生のパラダイムシフト
どら「小林先生は2002年にコーチとして独立されたということですが」
小林先生「はい。実は社労士になろうと思ったほうが先なんですよ。」
どら「そうだったんですか!」
小林先生「若い頃からいずれは独立したいなという気持ちがあったんですが、何をやりたいかはぼんやりしていました。
社労士を選んだのにはいろいろあります。母親が亡くなる前、しばらく体調が悪くて、仕事ができなかったんですね。あとどのくらいで年金もらえるのか知りたいというので、調べたりしてたんです。母親は亡くなったんですが、あと半年生きていれば年金をもらえるはずだった。なんか不公平だなぁと感じて。あとは、以前コンピューター関係の仕事をしていて、給与計算のソフトを作ることに関わっていたので、社会保険については勉強しました。
そんなようなことで、社労士の分野に興味がわいていまして。
最初は、勉強もせず受験して全然ダメでした。その後ブランクもあったりして・・・本当に独立できるのかな、とかやっていけるのかなとか、考えました。
自分がコーチしてほしかったんです(笑)」
どら「なるほど!それでコーチングの世界へ(笑)」
小林先生「たまたま私の友人でコーチをやっている人がいて、岸英光先生の公開講座があるから行ってみたら?って勧められました。それが最初です。
コーチになるため、ではなくてコーチングを受けるという意味で講座に通いはじめたんです。
でも、最初の頃は劣等生でした」
どら「そうなんですか?」
小林先生「パラダイムを増やす感覚がなかったんです。自分を否定しているような気になって、こんなんじゃやる気にならないよ、意味ないよって思って、あ〜もう、やめたやめた!ってしょっちゅう言ってました。」
どら「えー。意外。」
小林先生「その頃は会社もやめていて資格の勉強一本だったんですが、コーチングなんてもうこんなの意味ない、言いたいこと言ってやめてやれ!って思って、講座の仲間たちのメーリングリストにもうやめるって流したんですよ」
どら「えー!」
小林先生「だから当時のことを知っている人からは、何でコーチになってんの?って(笑)。笑い話ですよ。」
どら「コーチング講座を受けるのを途中でやめるっていう話ですもんね。コーチになりたいと思っていたわけではなく。かなり前の段階でつまづいていたんですね(笑)」
小林先生「一緒にコーチングの講座を受けていた仲間の一人が、そのメールを見てすぐに電話をくれました。もったいないとか、なんでやめるんだとか、言われるのかなと思うじゃないですか。でも彼女は、全然責めないんです。
ただ、感じていることを素直に話してくれと言うんです。
それで、話していると・・・変わってくるんですよね。
今思い返せば、これがパラダイムシフトだったのかな、と。
それまでは依存しているところがあって、教えて欲しい、助けて欲しいというのが強かったんですが、これ以降変わりました。
自分が大事に思っていることを、つつかれたりするのはある意味苦しいんですよね。でも、もっと深く考えさせられて、その結果強固になっていく。
この頃から、全然関係ない人にも、話を聞いてくれてありがとう、と感謝されるようになってきました。講座でも以前は全然発言しなかったんですが、シェアするようになりました。」
どら「講座はどのくらいの期間なんですか?」
小林先生「私が受けていたのは6ヶ月間でした。最初の3ヶ月と後半3ヶ月では全然違う人になった(笑)。」
どら「その後、コーチとして独立したんですね」
小林先生「社労士になるつもりはあったんですが、コーチとしてもやっていきたいと思って。コンサルティング会社がコーチを探しているということで紹介をいただいたので、スタートしました。最初、経験も浅いし・・・なんて思いましたが、コーチの中にいるとひっぱられるんですよね。経験がないからやらないというのは言い訳です。そう言い訳してチャンスを逃しているとずっと経験はないままですから。自信というのも、経験の積み重ねから生まれてくるものです。」
どら「コーチの仲間ってすごいですね。コーチ仲間以外では・・・例えば昔の同級生に会って変わったと言われたり、つきあい方が変わったと感じることってありますか?」
小林先生「出身が関西なので今あまり会わないですが・・・どうだろう、やわらかくなったとは言われるかな。昔は競争心が強かったんです。絶対のしあがってやろう!みたいな。
コーチングをはじめて一番変わったのは、相手を評価しなくなったことです。
この人のいいところ、悪いところっていうんじゃなくて、そのまま受けとめる。素直に受けとめるようになりました。
そうすると、相手がすごく話しやすいみたいですね。」
どら「なるほど・・・」
上司のコーチングは難しい?
小林先生「コーチングって、一時期うまくいかないと言われていたときがありました。」
どら「もともとアメリカ生まれで、日本に入ってきたけれども、うまくいかない、と。」
小林先生「うん、それはビジネスの現場でですね。コーチングってそもそも対等な立場でやるものなんだけど、上司と部下の関係って対等ではないじゃないですか。
上司は部下をこういうふうに動かしたいっていうのがある。その前提でほめるとか話を聞くって言っても、うまくいかないんですよね。
私は外部のコーチとして企業研修やコーチングをやっているわけですが、外部だからうまく機能しているんです。」
どら「上司と部下の関係でコーチングをとりいれようというのは、無理ですか」
小林先生「不可能とは言わないけれど、難しいですね。上司は、評価しなくてはならないですから。」
どら「そうですね。評価・・・」
小林先生「コーチングの観点から言うと、評価するっていうのが本当にその人のやる気を出させたりするかっていうとむしろマイナスになるんですよね。いい結果にならない。
・・・社労士としては、人事評価制度を作ったりしているわけですけど、うーん。これはけっこうジレンマで。会社にとっては評価制度はなくてはならないから、じゃあどんなものにしたらいいか、という・・・
なんか悩み相談みたいになっちゃいましたね(笑)」
どら「うーん。難しいですね・・・。今、小林先生のお仕事は社労士とコーチの二本立てということですよね。」
小林先生「そうですね、社労士の開業は昨年9月なので、まだまだですが。」
どら「コーチのほうは、ビジネスコーチに決めた理由ってあるんですか?」
小林先生「最初はコーチとしか名乗ってなかったんですけど、社労士とリンクできる部分はないかな、と思ったので。中心にすえているというだけで、主婦や学生も、やらないわけじゃないですよ。
コーチって、別にこの人がコーチっていうふうに切りわけることないかな、と思うんです。
例えば、最近私は読書量増えたんですよ。どらさんのブログを見て。
どらさんはそういう意識はないかもしれないけど、何か発信することで影響を与えているわけですよね。行動を起こさせたりしている。
いわゆる狭い意味でのコーチングとは違いますけど、何かインパクトを与えたり、人に貢献したりっていうのは普通にみんなやっていますよね。
コーチは資格だと思っている方もいらっしゃるかと思いますが、実はみんなそういう素養があるのかなと。」
どら「実はみんなやっているのかもしれない。あの・・・コーチに向かない人っていますか?」
小林先生「そうですねぇ・・・よっぽど、人のためになることがキライとか人が伸びていくのを見るのがキライとか。しいて挙げるとしたらですが。ほとんどいないと思います。向いている向いていないではなく、結果を出す優れたコーチというのは“こうあらねば”というのがないです。」
どら「なるほど。」
小林先生「コーチがこういう方向に導こうと思っていたり、話を聞いていてもできるわけないじゃんって心の中で思っていたりしたら、自由な発想は出てきません。」
今後の夢
どら「小林先生は、今後どうされていきたいですか?」
小林先生「今はコーチングの比重が多いんだけれども、だんだん社労士としてのコンサルティングにシフトしていきたいなと思ってます。
コーチングって、特別視するものじゃなくて、もっと自然にできればいいですよね。
コーチを職業にしているのにこう言うのもなんですけど(笑)
日常の色々なシーンで、普通にコーチングセンスが使われる・・・
そうすれば、最近問題になっている、うつ病も減るかもしれないし、自殺者の数も減るのではないかと思います。
私は今後、コンサルティングをしていく中で、社長さんだったり、人事担当者の方だったり、あるいは社員の方と関わっていくわけですから、そこでコーチングセンスを広めていければいいかなと。」
どら「社労士であって、独自性がコーチングになるのですね。社労士としては、主に労務管理のコンサルティングというイメージなのでしょうか」
小林先生「はい、中心はそうですね。」
仕事がつまらないと感じている方へ
小林先生「1号業務2号業務(注:1号業務・・・手続・代理・代行業務、2号業務・・・帳簿書類作成・提出)についてなんですけど。
以前、私がコーチになる前に受けたセミナーで、主催者の方が、セミナー準備として席を整えたり机をふいたりしているスタッフの方達にこう言ってたんです。”机をふいているのではなくて、セミナー参加者の人生が変わる、その準備をしているのだと思いなさい。”
そのスタッフの方たちはとてもイキイキとしていました。全然違うんです。
なんでこんなに気がつくんだろうと思うほど。
社労士の1号業務2号業務ってね、書類書いたり、邪魔臭いなぁとか思ってしまいがちですけど、今書いているこの書類で、この人は年金に加入できるとか、雇用保険の基本手当てをスムーズに受給できるんだとか。
その先にある価値というものを感じながらやるのと、そうでないのとでは全然違うなぁと思いますね。」
どら「はい。そうですよねぇ・・・」
小林先生「1号業務2号業務に限らず、今やっている仕事についてつまらない、やりがいがないと思っている方がいたら、そこを見直してみると違うのかなと。
人はやっぱりお金だけで動いているわけではないですよね。
今やっていることが、どういうふうに人に貢献しているのか、考えていくと深みが違うのではないでしょうか。
人それぞれ、価値観、自分が大事にしているものって違うと思うんですけど、そういうのを感じながら仕事に取り組むと、今つまらないと思っていることもひょっとしたら変わってくるかもしれない。
今私は給与計算なんかもやっていますが、この人ってどういう人なのかなとか、ここに入社してこれからどういう人生を歩んでいくのかなとか、そういうのを考えながらやっていると、やっぱり意気込みが違うんですよね。ただ事務的にやるのではなくて。」
どら「なるほど・・・。素晴らしいですね。ぜひブログで伝えたいなと思います。
今日は本当にいいお話をたくさん聞かせていただきました。どうもありがとうございました!」
小林先生「私もどらさんに感謝しています。ありがとうございました。」
インタビューを終えて
私はインタビュアーで、コーチングを受けているわけではないのですが、
不思議なことに自分の中に変化が起こりました。3月5日のブログ「コミュニケーション雑感」にも書いたのですが、
インタビューを録音したテープを聞くと、けっこう沈黙があるんです。でも、それが全然気にならなかった。
小林先生の言葉を聞いて、さらに自分自身とコミュニケーションしている時間だったりするんですね。
そこからまた言葉を得て、相手に投げかけていく・・・
「沈黙もコミュニケーションだ」ということを感じました。
他人とうまくコミュニケーションをとりたいと考える方は多いと思いますが、実は自分自身とのコミュニケーションって大切なんではないでしょうか。
「コーチングは特別ではなく、もっと普通に使っていければいいもの」というのも、
コーチを職業にされている小林先生がおっしゃると深みが感じられ、印象に残っています。
とても有意義な楽しい時間を過ごさせていただきました。
小林先生、どうもありがとうございました!!
小林先生が衝撃を受けたという岸英光コーチの公開講座が3月20日にあります。
「3月20日 コーチング体験講座:パラダイム」
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感謝です!!
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開業社会保険労務士でビジネスコーチの小林裕幸先生にインタビューしてきました!
小林裕幸先生
(開業社会保険労務士、ビジネスコーチ)
岸英光氏に師事し、コーチングを学び、2002年独立。
ビジネスコーチとして、主に、企業研修などの従業員に対するトレーニング、人事労務面でのアドバイスなどのサービスを提供している。
2007年からは、社会保険労務士業務にも進出
オフィスえいむ徒然日記

どら「今日はよろしくお願いします。」
小林先生「よろしくお願いします。」

どら「先日は社労士スキルアップ研究会でコーチング(Wikipedia「コーチング」)についてお話しいただいて、ありがとうございました。
講義の中で、すごいと思ったのが、シェアする時間なんです。
ワークのあとで感じたことについてシェアする時間というのがあったじゃないですか。みんないろいろ感じたことを言うのが面白くて。
ワークのある講座というのはこれまでもいろいろ受けましたが、けっこう難しいと思うんですよね。そのあとのシェアする時間が盛り上がるというのが。じゃあ、シェアしてください、って言われても、どうしたらいいんだろう?っていうこともありましたから。」
小林先生「盛り上がりましたね。それは講師と受講者両方の問題です。私は何を言ってもいい空間を作ろうとしていて・・・
コーチングについて講義をするっていうのは、実はまだ2回目だったんですが、これまで避けてきたという部分もあります。
何を言ってもいい、何を感じてもいいというのは、講師の側からするとストーリーを作れないので、怖いんです。こんなのイヤだと出て行かれたとしても、それもありなわけですよ。
でも、もっと参加者の方のことを信じていいのではないか。何かが生まれてくることを信じていいのではないか。
それで、今回の社労士スキルアップ研究会ではもうあまり怖いとは思っていませんでしたが。」
どら「何を言ってもいい空間だからあれだけ盛り上がれるのですね。」
小林先生「みなさん活発でした。ワークやシェアを入れることで、リアリティが出てきます。一方的にこういうものなんですよって教えられても、体験しないと本当にはわからないですからね。」
どら「はい。3時間があっという間に感じたのですが、体験しているからなのでしょうね。
私が一番衝撃を受けたのは“パラダイム(枠組み)を増やす”ということです。自分の考え方や物事の捉え方よりも好ましく思える考え方、捉え方に触れたとき、自分のことをダメだと思ってしまいがちでした。でも、自分を否定するのではなく、そういったパラダイムを増やしていけばいいんだというのは、聞けてすごく良かったです。」
(2月2日ブログ「コーチングについて学ぶ」)

どら「小林先生は2002年にコーチとして独立されたということですが」
小林先生「はい。実は社労士になろうと思ったほうが先なんですよ。」
どら「そうだったんですか!」
小林先生「若い頃からいずれは独立したいなという気持ちがあったんですが、何をやりたいかはぼんやりしていました。
社労士を選んだのにはいろいろあります。母親が亡くなる前、しばらく体調が悪くて、仕事ができなかったんですね。あとどのくらいで年金もらえるのか知りたいというので、調べたりしてたんです。母親は亡くなったんですが、あと半年生きていれば年金をもらえるはずだった。なんか不公平だなぁと感じて。あとは、以前コンピューター関係の仕事をしていて、給与計算のソフトを作ることに関わっていたので、社会保険については勉強しました。
そんなようなことで、社労士の分野に興味がわいていまして。
最初は、勉強もせず受験して全然ダメでした。その後ブランクもあったりして・・・本当に独立できるのかな、とかやっていけるのかなとか、考えました。
自分がコーチしてほしかったんです(笑)」
どら「なるほど!それでコーチングの世界へ(笑)」
小林先生「たまたま私の友人でコーチをやっている人がいて、岸英光先生の公開講座があるから行ってみたら?って勧められました。それが最初です。
コーチになるため、ではなくてコーチングを受けるという意味で講座に通いはじめたんです。
でも、最初の頃は劣等生でした」
どら「そうなんですか?」
小林先生「パラダイムを増やす感覚がなかったんです。自分を否定しているような気になって、こんなんじゃやる気にならないよ、意味ないよって思って、あ〜もう、やめたやめた!ってしょっちゅう言ってました。」
どら「えー。意外。」
小林先生「その頃は会社もやめていて資格の勉強一本だったんですが、コーチングなんてもうこんなの意味ない、言いたいこと言ってやめてやれ!って思って、講座の仲間たちのメーリングリストにもうやめるって流したんですよ」
どら「えー!」
小林先生「だから当時のことを知っている人からは、何でコーチになってんの?って(笑)。笑い話ですよ。」
どら「コーチング講座を受けるのを途中でやめるっていう話ですもんね。コーチになりたいと思っていたわけではなく。かなり前の段階でつまづいていたんですね(笑)」
小林先生「一緒にコーチングの講座を受けていた仲間の一人が、そのメールを見てすぐに電話をくれました。もったいないとか、なんでやめるんだとか、言われるのかなと思うじゃないですか。でも彼女は、全然責めないんです。
ただ、感じていることを素直に話してくれと言うんです。
それで、話していると・・・変わってくるんですよね。
今思い返せば、これがパラダイムシフトだったのかな、と。
それまでは依存しているところがあって、教えて欲しい、助けて欲しいというのが強かったんですが、これ以降変わりました。
自分が大事に思っていることを、つつかれたりするのはある意味苦しいんですよね。でも、もっと深く考えさせられて、その結果強固になっていく。
この頃から、全然関係ない人にも、話を聞いてくれてありがとう、と感謝されるようになってきました。講座でも以前は全然発言しなかったんですが、シェアするようになりました。」
どら「講座はどのくらいの期間なんですか?」
小林先生「私が受けていたのは6ヶ月間でした。最初の3ヶ月と後半3ヶ月では全然違う人になった(笑)。」
どら「その後、コーチとして独立したんですね」
小林先生「社労士になるつもりはあったんですが、コーチとしてもやっていきたいと思って。コンサルティング会社がコーチを探しているということで紹介をいただいたので、スタートしました。最初、経験も浅いし・・・なんて思いましたが、コーチの中にいるとひっぱられるんですよね。経験がないからやらないというのは言い訳です。そう言い訳してチャンスを逃しているとずっと経験はないままですから。自信というのも、経験の積み重ねから生まれてくるものです。」
どら「コーチの仲間ってすごいですね。コーチ仲間以外では・・・例えば昔の同級生に会って変わったと言われたり、つきあい方が変わったと感じることってありますか?」
小林先生「出身が関西なので今あまり会わないですが・・・どうだろう、やわらかくなったとは言われるかな。昔は競争心が強かったんです。絶対のしあがってやろう!みたいな。
コーチングをはじめて一番変わったのは、相手を評価しなくなったことです。
この人のいいところ、悪いところっていうんじゃなくて、そのまま受けとめる。素直に受けとめるようになりました。
そうすると、相手がすごく話しやすいみたいですね。」
どら「なるほど・・・」

小林先生「コーチングって、一時期うまくいかないと言われていたときがありました。」
どら「もともとアメリカ生まれで、日本に入ってきたけれども、うまくいかない、と。」
小林先生「うん、それはビジネスの現場でですね。コーチングってそもそも対等な立場でやるものなんだけど、上司と部下の関係って対等ではないじゃないですか。
上司は部下をこういうふうに動かしたいっていうのがある。その前提でほめるとか話を聞くって言っても、うまくいかないんですよね。
私は外部のコーチとして企業研修やコーチングをやっているわけですが、外部だからうまく機能しているんです。」
どら「上司と部下の関係でコーチングをとりいれようというのは、無理ですか」
小林先生「不可能とは言わないけれど、難しいですね。上司は、評価しなくてはならないですから。」
どら「そうですね。評価・・・」
小林先生「コーチングの観点から言うと、評価するっていうのが本当にその人のやる気を出させたりするかっていうとむしろマイナスになるんですよね。いい結果にならない。
・・・社労士としては、人事評価制度を作ったりしているわけですけど、うーん。これはけっこうジレンマで。会社にとっては評価制度はなくてはならないから、じゃあどんなものにしたらいいか、という・・・
なんか悩み相談みたいになっちゃいましたね(笑)」
どら「うーん。難しいですね・・・。今、小林先生のお仕事は社労士とコーチの二本立てということですよね。」
小林先生「そうですね、社労士の開業は昨年9月なので、まだまだですが。」
どら「コーチのほうは、ビジネスコーチに決めた理由ってあるんですか?」
小林先生「最初はコーチとしか名乗ってなかったんですけど、社労士とリンクできる部分はないかな、と思ったので。中心にすえているというだけで、主婦や学生も、やらないわけじゃないですよ。
コーチって、別にこの人がコーチっていうふうに切りわけることないかな、と思うんです。
例えば、最近私は読書量増えたんですよ。どらさんのブログを見て。
どらさんはそういう意識はないかもしれないけど、何か発信することで影響を与えているわけですよね。行動を起こさせたりしている。
いわゆる狭い意味でのコーチングとは違いますけど、何かインパクトを与えたり、人に貢献したりっていうのは普通にみんなやっていますよね。
コーチは資格だと思っている方もいらっしゃるかと思いますが、実はみんなそういう素養があるのかなと。」
どら「実はみんなやっているのかもしれない。あの・・・コーチに向かない人っていますか?」
小林先生「そうですねぇ・・・よっぽど、人のためになることがキライとか人が伸びていくのを見るのがキライとか。しいて挙げるとしたらですが。ほとんどいないと思います。向いている向いていないではなく、結果を出す優れたコーチというのは“こうあらねば”というのがないです。」
どら「なるほど。」
小林先生「コーチがこういう方向に導こうと思っていたり、話を聞いていてもできるわけないじゃんって心の中で思っていたりしたら、自由な発想は出てきません。」

どら「小林先生は、今後どうされていきたいですか?」
小林先生「今はコーチングの比重が多いんだけれども、だんだん社労士としてのコンサルティングにシフトしていきたいなと思ってます。
コーチングって、特別視するものじゃなくて、もっと自然にできればいいですよね。
コーチを職業にしているのにこう言うのもなんですけど(笑)
日常の色々なシーンで、普通にコーチングセンスが使われる・・・
そうすれば、最近問題になっている、うつ病も減るかもしれないし、自殺者の数も減るのではないかと思います。
私は今後、コンサルティングをしていく中で、社長さんだったり、人事担当者の方だったり、あるいは社員の方と関わっていくわけですから、そこでコーチングセンスを広めていければいいかなと。」
どら「社労士であって、独自性がコーチングになるのですね。社労士としては、主に労務管理のコンサルティングというイメージなのでしょうか」
小林先生「はい、中心はそうですね。」

小林先生「1号業務2号業務(注:1号業務・・・手続・代理・代行業務、2号業務・・・帳簿書類作成・提出)についてなんですけど。
以前、私がコーチになる前に受けたセミナーで、主催者の方が、セミナー準備として席を整えたり机をふいたりしているスタッフの方達にこう言ってたんです。”机をふいているのではなくて、セミナー参加者の人生が変わる、その準備をしているのだと思いなさい。”
そのスタッフの方たちはとてもイキイキとしていました。全然違うんです。
なんでこんなに気がつくんだろうと思うほど。
社労士の1号業務2号業務ってね、書類書いたり、邪魔臭いなぁとか思ってしまいがちですけど、今書いているこの書類で、この人は年金に加入できるとか、雇用保険の基本手当てをスムーズに受給できるんだとか。
その先にある価値というものを感じながらやるのと、そうでないのとでは全然違うなぁと思いますね。」
どら「はい。そうですよねぇ・・・」
小林先生「1号業務2号業務に限らず、今やっている仕事についてつまらない、やりがいがないと思っている方がいたら、そこを見直してみると違うのかなと。
人はやっぱりお金だけで動いているわけではないですよね。
今やっていることが、どういうふうに人に貢献しているのか、考えていくと深みが違うのではないでしょうか。
人それぞれ、価値観、自分が大事にしているものって違うと思うんですけど、そういうのを感じながら仕事に取り組むと、今つまらないと思っていることもひょっとしたら変わってくるかもしれない。
今私は給与計算なんかもやっていますが、この人ってどういう人なのかなとか、ここに入社してこれからどういう人生を歩んでいくのかなとか、そういうのを考えながらやっていると、やっぱり意気込みが違うんですよね。ただ事務的にやるのではなくて。」
どら「なるほど・・・。素晴らしいですね。ぜひブログで伝えたいなと思います。
今日は本当にいいお話をたくさん聞かせていただきました。どうもありがとうございました!」
小林先生「私もどらさんに感謝しています。ありがとうございました。」

私はインタビュアーで、コーチングを受けているわけではないのですが、
不思議なことに自分の中に変化が起こりました。3月5日のブログ「コミュニケーション雑感」にも書いたのですが、
インタビューを録音したテープを聞くと、けっこう沈黙があるんです。でも、それが全然気にならなかった。
小林先生の言葉を聞いて、さらに自分自身とコミュニケーションしている時間だったりするんですね。
そこからまた言葉を得て、相手に投げかけていく・・・
「沈黙もコミュニケーションだ」ということを感じました。
他人とうまくコミュニケーションをとりたいと考える方は多いと思いますが、実は自分自身とのコミュニケーションって大切なんではないでしょうか。
「コーチングは特別ではなく、もっと普通に使っていければいいもの」というのも、
コーチを職業にされている小林先生がおっしゃると深みが感じられ、印象に残っています。
とても有意義な楽しい時間を過ごさせていただきました。
小林先生、どうもありがとうございました!!
小林先生が衝撃を受けたという岸英光コーチの公開講座が3月20日にあります。
「3月20日 コーチング体験講座:パラダイム」
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