こんにちは。さむコピ小川です。

先日の文章術セミナーがとても好評で、うれしく思っています。「5年を変える会IN東京」副幹事の河野よしかずさんのお心遣いで、アンケートフィードバックをいただいているところです。
どうもありがとうございます。

河野さんが書いてくださった感想はこちら。

「心をつかむ文章術」:フードスマイル代表のブログ


さてさて、そのセミナーの中で、「パスティーシュ」のお話をしました。パスティーシュとは、文体模倣のことです。取扱説明書の文体、入試問題の文体、文学的な文体、手紙の文体、若者の文体・・・。いろいろあります。それをマネして、文章を書くこと。要するに、モノマネです。

私はこれが大好きなんですね。高校生の頃から、ハマっています。


今日は、セミナーの中でも、時間が足りなくなるのでカットした、トレーニング例をお知らせしようと思います。

文体トレーニングの仕方(好きな作家になりきって書く)
何か一つテーマを決めます。
例えば、「今年の新入社員はエコバッグ型」というテーマで、ごく短い文章を書く。
そのときに、好きな作家・著者になりきって書きます。
今度は同じテーマで、別の作家になりきって書きます。
これを繰り返します。

できれば、明らかに文体の違う作家を選びましょう。

けっこう高度なトレーニングですが、面白いですよ!一つのテーマで全然違う文章ができます。

と、ここまではセミナーでもお話ししましたが、具体例がないとイメージしずらいかもしれません。実際に私がやったトレーニング例を載せますね。

「今年の新入社員はエコバッグ型」というテーマで、
小宮一慶(経営コンサルタント)風、
土屋賢二(哲学教授、エッセイスト)風、
村上春樹(作家)風、
中島らも(作家、エッセイスト、コピーライター)風、

と4人の文体を模倣して書きました。

注意:あくまでもこれは文体を模倣するトレーニングです。それぞれの作家のファンの方、怒らないでください。内容がどう、というより、文体を模倣しようとするとこんなに変わるのか、というところに注目してみてください。



テーマ:「今年の新入社員はエコバッグ型」

1.小宮一慶風

社会経済生産性本部という、民間の調査団体があって、毎年、新入社員のタイプを命名しています。2009年の新入社員は、「エコバッグ型」と名づけられました。その心はというと、「環境問題(エコ)に関心が強く、節約志向(エコ)で無駄を嫌う傾向があり、折り目正しい。小さくたためて便利だが、使うときには大きく広げる(育成する)必要がある。」ということです。

この新入社員のタイプですが、時代時代の環境を反映しているのがわかって面白いですね。昭和48年、命名がスタートした年は「パンダ型」。その後、ムーミン型、かもめのジョナサン型、たいやきクン型、というように、擬人化されたキャラクターが続きます。その後、使い捨てカイロ型やテレホンカード型、液晶テレビ型、バーコード型など、当時もてはやされたモノ。ここ数年は、カメラ付きケータイ型、ネットオークション型、ブログ型というように通信系のものが増えたな、と思ったら「エコバッグ型」、と来ました。

自分なりに、「今年の○○」を命名するのをやってみてはどうでしょうか。新入社員でもいいし、テレビ番組とか本でもいいですね。一言であらわして、それを解説してみる。一言で言おう、と思って生活していると、ものの見え方が違ってきます。



2.土屋賢二風

わたしは女子大で教授をしているので、残念ながら新入社員と触れ合う機会はない。それなのに、新入社員特集だから、何か書けと言う。それで考えてみたら、先月卒業したわたしの教え子たちはどこかで新入社員になっているはずだ。「今年の新入社員はエコバッグ型」と言われているそうだが、彼女たちは確かにエコに興味があった。

授業の最後にレポートを提出させたところ、私が2週間前に作成し、学生たちに配布した美しい講義レジュメが混ざっていた。誰かが間違えて置いていってしまったのかな、と裏面を見ると、なんとそこにレポートが書いてあった。
それだけではない。助手室に用事があって入ったら、助手と学生が豆大福を食べていた。豆大福の粉が飛んでもいいように、ランチョンマットとして敷いているのは、わたしが作ったレジュメだった。
道ばたに落ちている紙ヒコーキをひろったら、それが私のレジュメだったこともある。

非常に役に立つレジュメでさえ、再度利用しようという心構えをもっている。なるほど、環境問題や節約に興味があるらしい。しかし、エコバッグのように小さくたためるかというと疑問である。講義中も、学生たちがあまりに堂々としているので、わたしのほうが小さく感じられるくらいだ。たぶん、わたしが上品すぎるのだろう。


3.村上春樹風

とりたてて興味があるわけではなかった。
ただ、新入社員教育をすることになっている僕のもとへ、同僚が親切心で持ってきたのだ。印刷し損じた報告書の裏側に、「今年の新入社員はエコバッグ型」というコラムがプリントしてあった。

右手にマグカップを持った彼女が近づいてきて、その紙を覗き込むようにした。「エコに関心が高く、ムダを嫌い、折り目正しいんですって。どう?そんな感じする?」
「さぁ。よくわからないよ。」
「わたしたちが入社したときは、形態安定シャツ型って言われてたのよ。10年たっても、型崩れしてないもんね。」

いたずらっぽい目つきになって、彼女は言った。型崩れどころか、ずっときれいになっている。もちろん、僕はそんなことは言わない。意味のある言葉のまわりを漂う、意味のない言葉をつかんだり離したり、そうやって過ごしている。僕のところへもまた、同じ夏が来る。



4.中島らも風

スーパーで長ネギを買ったら、袋をくれなかった。それで、仕方なく長ネギを刀のようにさして家までの道のりを歩いた。まわりを見ると色とりどりのナイロン袋に野菜を詰めて持ち帰っている人が多い。エコバッグと言って、クルクルっと小さくおりたたんでおり、レジを過ぎた段階でバーっと広げ、買ったものを詰め込むのである。

クルクル、バーっである。

この様子を見て、今年の新入社員にそっくりだと思った。小さくたためて便利だが、使うときには大きく広げる必要がある。スーパーを出る人を観察していると、ぶら下げているナイロン袋は、色とりどりであるがキャパシティはだいたい同じらしい。買い物の量が多すぎる人はハナから諦めて、スーパー内に積んであるダンボールを使っている。捨てるものを使っているんだからまぁ、こっちのほうがエコである。しかし見た目がよくない。エコもオシャレじゃなければいけないのだ。

そんなこんなで、「今年の新入社員はエコバッグ型」と僕が命名した。
というのは、無論ウソである。




こんな感じです。
いかがでしたでしょう?

何度も言いますが、「村上春樹はそんなこと書かないよ!」とか怒らないでくださいね。気になる方はもっと大きく、小説風・ビジネス書風・エッセイ風という感じでとらえていただければ。

ただ、この人はカタカナが多いとか、一文が長めとか、一人称はどう書いているかとか、そういう部分を感じながらトレーニングするのです。そうやって、よい文章を書くための「文体」をストックしていきます。

楽しそうでしょう??

ぜひぜひ、やってみてください









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