編集者さんから電話があって、「明日着でゲラを送ります」。

実際の書籍と同じように割り付けがしてある印刷物のことです。校正を入れるために刷って送ってくれます。この印刷物に、赤ペンでチェックを入れていきます。

「ゲラ」という言葉にも慣れたけど、そもそもなんで「ゲラ」なんでしょうね?

柴田光滋さんの『編集者の仕事』を読んでいたら、ゲラの語源がわかりました。

校正刷りを意味する英語「ギャリー・プルーフ(galley proof)」から来たものだそうです。活版時代の印刷所には組んだ活字を収める箱が置いてあり、これを「ゲラ箱」と呼んでいた。それを校正のために刷ったものが「ゲラ刷り」。縮めて「ゲラ」。活版印刷がなくなっても、この言葉は残っているわけです。


さて、この本。

編集者の仕事―本の魂は細部に宿る (新潮新書)
編集者の仕事―本の魂は細部に宿る (新潮新書)
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編集者の仕事、なかでも「モノとしての本づくり」をかなり詳しく書いている本です。




読みやすく美しい本に仕上げるため、いかに細かいところまで気遣っているのか。本に対する愛が感じられて、なんだか嬉しくなってきます。

字の組み方をどうするのか。大きさは。書体は。カバーは。オビは。

専門用語だらけなのですが、本の世界にどっぷり浸ったようでそれもまた楽しい。

たとえば、「表紙はソフト・カバーか、ハード・カバーか」という話題の一部はこんな感じ。

ソフト・カバーは並製本などとも言われるため、ハード・カバーより格下と思われるかもしれませんが、その軽装感は捨てがたく、私はよく用いてきました。ただし、三方断ちの表紙にジャケットでは少々さびしくなる。また、天をカットしたらスピンは付けられない。そこで、天アンカットの小口折表紙にしてジャケットを付ければ、スピンも入り、軽快でいてそれなりの雰囲気も出せます。


「書籍各部の名称」について説明が書かれたイラストを見ながら読めば、なんとかついていけます。


この本のオビ裏面には「電子書籍にはない職人技に迫る」とあります。まさに職人技。


「本とはモノである」とは、編集の現場でよく言われることだそうですが、私も「モノとしての本」に愛着を感じている人間なので、頷いてしまいます。

評論家の坪内祐三氏は『古くさいぞ私は』の中で、こう言っています。

実際に目を通していなくても、その本を持っているという事実だけで豊かな気持ちにさせてくれる。そういうモノとしての近代的書物を誕生させてくれたことだけで、私は、グーテンベルグに感謝している。



さて、電子書籍は……?