水木しげる先生の『生まれたときから妖怪だった』が私の愛読書の一つなんだけれども、「ライター」という職業について考えているときに思い出すエピソードがあります。

生まれたときから「妖怪」だった (講談社プラスアルファ文庫)
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水木サンのところにインタビューにやってきた雑誌記者。
名刺交換をしたとき、記者の名刺には「○○会社 代表取締役」とあったので、水木サンはいつものように「ほほお、社長サンですか」と、初対面の相手を喜ばせる気持ちで言いました。

生まれたときから「妖怪」だった (講談社プラスアルファ文庫)
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水木サンのところにインタビューにやってきた雑誌記者。
名刺交換をしたとき、記者の名刺には「○○会社 代表取締役」とあったので、水木サンはいつものように「ほほお、社長サンですか」と、初対面の相手を喜ばせる気持ちで言いました。
そんなとき、多くの社長サンは
「いえいえ、とんでもございません。もう小さな会社ですし、なんとか食いつないでいるだけです」と答えるそうです。
ハイ、心当たりがあります。っていうか私はまさにそれ。ごめんなさい。
ところが、その雑誌記者である社長サンは、
「いえ、ライターです」と言ったんだそうな。
さらには、
「百円ライターです」とつけ加えたんだそうな。
水木サンがその記者の顔を見つめると、なんともいえない愛嬌があったそうで、瞬時に心の中で「妖怪スキっ歯」と命名した、と。
ああ、すばらしい。ユーモアばんざい。
漫画に出てきそうな、愛嬌のあるキャラクターが思い浮かびます。
それから、もう一個。
水木サンのところへやってきた編集者の話です。
その編集者は、こう言いました。
水木サンの答えが、かっこいい。
しびれました。
水木サンの言葉には、愛嬌があります。決して説教くさくなく、ふふっと笑ってしまうところがあります。
私は年をとって、こんな言い方ができるだろうか?
水木サンから、まだまだたくさん学びたいな、と思っています。
「いえいえ、とんでもございません。もう小さな会社ですし、なんとか食いつないでいるだけです」と答えるそうです。
ハイ、心当たりがあります。っていうか私はまさにそれ。ごめんなさい。
ところが、その雑誌記者である社長サンは、
「いえ、ライターです」と言ったんだそうな。
さらには、
「百円ライターです」とつけ加えたんだそうな。
水木サンがその記者の顔を見つめると、なんともいえない愛嬌があったそうで、瞬時に心の中で「妖怪スキっ歯」と命名した、と。
ああ、すばらしい。ユーモアばんざい。
漫画に出てきそうな、愛嬌のあるキャラクターが思い浮かびます。
それから、もう一個。
水木サンのところへやってきた編集者の話です。
その編集者は、こう言いました。
「ぼくは本来、怠け者ですから自分の好きなようにしていたら、いつかはホームレスになってしまうとの危惧をもっている。だから、そうならないように怠け心を抑えて仕事をしています」
水木サンの答えが、かっこいい。
「ああ、そう。なればいいですよ、ホームレスに。怠け心を抑えることもないでしょう。なんにもせんのが楽しいのなら、それでホームレスになったら本望じゃないですか。人間、好きなことをやるために生まれてきたのとちがいますか。好きなことをやるにしても、当然いろいろな難問題が待ち受けている。だけど、好きなことなら、それを乗り越える努力が苦痛じゃないはず。好きだから我慢できる、というか我慢してる感覚さえ楽しいんだな。水木サンはね、妖怪を広めるために生まれてきたんです。それが楽しいんです。」
しびれました。
水木サンの言葉には、愛嬌があります。決して説教くさくなく、ふふっと笑ってしまうところがあります。
私は年をとって、こんな言い方ができるだろうか?
水木サンから、まだまだたくさん学びたいな、と思っています。
〇追伸
明石家さんまさんの「ホンマでっか?!TV 」、次の出演は今月13日の21時になりました。
(フジテレビ)
すべての都合がよろしければ、ご覧くださいm(__)m