「話し方」にはコンプレックスを持ち続けている私です。

あがり症だし、自分でも何を言っているのかよくわからなくなってしまいます。

他にも苦手なことはたーくさんあるけれど、私の中で「もっとも直したほうがいいところ」という自覚を持っていたのが「話し方」です。

だから、OLの頃から「話し方本」は山ほど読んできました。少なくとも50冊は(汗)。

ニーズも多いということなんでしょうね。本屋さんに行けば大量に売ってます。


ぶっちゃけ、本ばかり読んでいないで、とにかく話す機会を作っちゃうほうが早いんですが、心構えとか、練習法とか、多少のテクニックとか、やはり知っておきたいもの。


文章もそうなんですが、「自分はヘタだ」と思っている人のほうがうまくなるんですよ。

得意だと思っている人は、相手の反応をあまり見なかったり、反省しなかったりするから進歩しにくいんですよね。

実は、「話長いけど、何言っているかわかんないなー」と思われていることもあります(文章もまさに同じ!)。


話し方本を読みながら、自分の話し方を反省してみるのもいいかもしれない。


そんなわけで、厳選5冊をご紹介します。




1.『話し方にもっと自信がつく100の法則』
(太田龍樹 中経出版)

話し方にもっと自信がつく100の法則
話し方にもっと自信がつく100の法則
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話して何か伝えたいと思ったら、「情熱」と「論理」の両方が必要なのだな、とあらためて感じました。

著者は、ディベートキングの太田龍樹氏。エンターテイメントディベート大会で6年連続優勝の経験を持っており、ディベート団体BURNING MIND代表です。

BURNING MINDによるディベートの試合を見たことがあるのですが、エキサイティングでした。
あるテーマについてYES、NOに分かれ、主張を展開していきます。相手側の論理の弱いところをついて、自分を有利にしていく。

一番大切なのは、論理です。「説得力のありそうな、一見うまい話し方」では通用しません。
それは情熱とは違うんですね。不思議なもので、「声が大きくて威圧的」と「情熱」は違うことはすぐに見抜けます。

「情熱的な話し方」であれば、やはり人の心を動かすんです。


本書は、話し方の法則が100もおさめられています。100の法則は、「整理力」「論理力」「情熱」「見栄え力」「質問力」「説得力」「共感力」「品格」「おもてなし力」の9つのカテゴリに分けられます。

たとえば
「すべてのことをかならず両面から見る」という法則(論理力)。
「理想的な話し方をする人を徹底的にまねる」という法則(見栄え力)。
「反論する前に『受け止める』ことが大切」という法則(説得力)。

太田氏がよく言う「受けの美学」という、とてもいい考え方があって、いったん受け止めるんですね。(受けの美学という言葉自体も、かっこいいと思う。)

ディベートも、相手の話を受けとめなければ、自分の話を展開できないんです。

太田氏が好きだという落語からのヒントも多くあり、面白いです。ちょっと意識して落語を聞いて、噺家さんから学びたいなぁと思いました。


BURNING MINDのホームページ


2.『「できる人」の話し方&人間関係の作り方』
(箱田忠昭 フォレスト出版)

「できる人」の話し方&人間関係の作り方~なぜか、「好印象を与える人」の技術と習慣~ (「できる人」シリーズ)
「できる人」の話し方&人間関係の作り方~なぜか、「好印象を与える人」の技術と習慣~ (「できる人」シリーズ)
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私がビジネス書にハマりはじめたきっかけは、この本でした。

なにしろ、お得感がすごい。
話し方だけでなく「人間関係の作り方」を教えてくれるし、CDもついている。当時の私にとっては、そんなお得感が大事でした。(最近は、CDつきの本は売れないみたいだけど)

箱田忠昭氏は年間300回以上の講演をこなすというカリスマ講師なんです。

私は生でセミナーを聞いたことはないのですが、本書のオマケCDは随分聞きました。
箱田氏はけっこう個性的な話し方をします。いかにも「アメリカ帰りだな」というような……。いわゆる聞きやすい話し方ではありません。苦手な人もいるようです。

講演にしても、本にしても、箱田氏の話がすごいのは「エピソードとネタの引き出し」だと思う。

箱田氏自身のエピソードはもちろん、アメリカの心理学者の理論、外国のことわざ、戦争中に行われた調査、アメリカの大学での調査・・・。

たとえば「人は他人から認められたい生き物です」と言うにも、たくさんのネタを論拠にするんです。

これらのネタが面白いから、「いいことを聞いた」気になるし、腹に落ちる感じがするんですね。構成の面でも、勉強になります。

それから、講演上手な人は、「あいうえお作文」(?)がうまいと思う。

箱田氏が教える話し方の1つは、SOS話法。どんな話法かと言えば、

「すごいですね」(S)
「驚きました」(O)
「素晴らしいですね」(S)


このSOSを会話の最中にどんどん使うというもの!

また、うまい話の7つの要素は「ああもうけたか」と言うそうです。

あ=明るい
あ=新しい
も=ものがたり性
う=うれしい
け=決意
た=楽しい
か=感動


こうやって、いちいち「あいうえお作文」のようなものを作っているのがすごい。確かに覚えやすいですからね。

箱田忠昭氏のサイト



3.『たった2分で人の心をつかむ話し方』
(木下通之 フォレスト出版)

たった2分で人の心をつかむ話し方(CD付)
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2分で話す。

1つのテーマについて話をしようとしたとき、2分あればたっぷり時間があるそうです。「3分スピーチ」とはよく聞きますが、3分は長すぎる、と。

人が集中して話を聞いてくれる時間の限界は「3分」であっても、2分にまとめよう、というのが本書のコンセプトです。

エイブラハム・リンカーンの「人民の、人民による、人民のための・・・」という有名な演説も、2分でした。たった2分で、人の心を動かすことはできるわけです。

聞き手の印象に残す話をするには、

・2分でまとめる
・自分の体験したことを語る


ということをベースに、話を組み立てること。

本書は、自己紹介や子供の頃のエピソードなど、話し方サンプルが豊富なのがウリですね。
かなり実践的な内容と言えるのではないでしょうか。

著者の木下通之氏は「コトハナ・セミナー」という話し方講座を35年以上やってきているのですが、その「コトハナ・セミナー」の生徒さんたちが実際に披露している話がCDにおさめられています。

たった2分で、こんなに話せるのか!
なんてことのない話でも、こんなに臨場感タップリに話せるのか!

と、感じました。

ちなみに、やはり「あいうえお作文」が上手。

話し方の基本原則は、「あいうえの法則」と「かきくけこの法則」だそうです。

あ=アイ・コンタクト
い=衣服・身だしなみ
う=動きをハツラツと
え=笑顔で明るく
お=大きな声でハキハキと

か=簡単(短く)・明瞭に
き=起承転結(序論・本論・結論)
く=具体的(体験・実例)に
け=結論ははっきりと
こ=言葉に気配りを



コトハナセミナーのホームページ


4.『人を10分ひきつける話す力』
(齋藤孝 大和書房)

人を10分ひきつける話す力
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今度は「10分」。

人は3分くらいしか話に集中できないのに、「10分人をひきつけよう」と言うのです。


人を10分ひきつける話をするためには、まずきちんとした内容が必要である。
また、声の張りや視線など、聞く人に向かう身体の力が必要になる。
さらに、場の雰囲気を感知して冷静に対処できるライブな能力がいる。(p.7)



なるほど、どれも大事ですよね。

とくに、話の内容について、齋藤孝先生は面白いことを言っています。

絶対に他人と違う、「おもしろいことを言おう」という強い意志を持て、と。

平凡な話をするな!というわけです。
確かに、齋藤先生の本やテレビで見かける姿からは、そういった意志が感じられます・・・!

そして、話のネタを豊富に持つこと。

齋藤先生が話し方教室で教えるとしたら、「基礎力として、まず毎週本を二冊ずつ読ませる」そうです。

その本と自分の経験を絡めて、面白いネタを一つつくります。オチになるようなワンフレーズをつくり、人の気をひく命題をつくります。それをもとにエッセイを書き、そのエッセイを見ずにみんなの前で披露するのです。

ネタを仕入れ、考えを深め、「おもしろい話をするぞ!」という意気込みを持つ。

なかなか大変ですね。
でも、これは「書く」こともまったく同じです。

そして、身体の力、ライブ感覚を身につける。

これは「話す」特有のものになるわけですが、このあたりも齋藤先生お得意のテーマです。聞き手が多人数であっても対話の感覚を持ち、反応を察知しながらネタを変えていきます。

ちなみに、本書自体もさすがネタが豊富であって、「話し上手に学ぶ」として、永六輔、古今亭志ん朝、キング牧師、小林秀雄、宮崎駿のスピーチとそれに対する分析が載っています。これもすごく面白い。

お気に入りの1冊です。




5.『話すチカラをつくる本』
(山田ズーニー 三笠書房)

話すチカラをつくる本 (知的生きかた文庫)
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話し方というより、伝えることができる自分になるための本、よりよく伝えるために思考を深める本ですね。
実際、手紙の文例なんかも多くて、話すことそのものより「伝える」ことに主眼があります。著者の山田ズーニー氏は文章指導の人ですしね。

本書では「伝わる要件」として7つ挙げています。

1 自分のメディア力
2 意見
3 論拠
4 目指す結果
5 論点
6 相手にとっての意味
7 根本思想



いまさら人に聞けない基礎をいちからはじめてきちんとつくるのが「本書の特長」。

とは言え、「伝え方」はあまり教わることもありませんから、本書に載っているダメな例はふつうにビジネスシーンでもよく見かけるものです。

意見のみで論拠がない、とか。正論を言っているけれど、相手にとっての意味を考えていない、とか。

反省してしまうことがたくさんあります・・・。

とくに本書でいいと思うのは「自分のメディア力」について挙げていることです。

「何を言うかより、だれが言うか」が大切なんです。

伝えるためには、信頼してもらえる自分でいることですね。





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