私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日
私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日
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徹底的な福利厚生が話題になり、人気企業ランキング上位だった人材コンサルティング会社のワイキューブ。元社長安田佳生氏は『千円札は拾うな。』などのベストセラーを出しており、私の周りにもファンが多かったです。

そのワイキューブが民事再生の適用を申請したのが2011年3月。
ビックリしました。

そして、1年後にこの本です。『私、社長ではなくなりました。』

セキララです。


思い浮かべたのは、こんな風景・・・

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気軽に話しかけたりできない性質で、友達があまりいないヨシオくんが、親に話題のゲーム機を買ってもらった。

「うちに、あのゲーム機あるよ。」
「マジ!?いいなぁ〜、遊ばせてよ。」

初めて、友達が数人家に遊びに来た。友達がゲームをしながら笑ったり、クリアしたりするのを見て、とても楽しかった。

また遊びに来てほしいので、友達が喜びそうなものを買い集めるようになった。
お菓子も用意するし、食事もご馳走するようになった。

すると、友達の中には、それを当たり前のように受け取り、喜ばなくなった人もいる。
最初は喜んだけれど、すぐに興味を示さなくなった人もいる。
やたらともらえることに罪悪感を感じて、離れていく人もいる。

ヨシオくんは、まだ寂しさを消すことができない。

もっと何か用意しなきゃ・・・


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安田氏は、自分のお金を増やすことにはあまり興味がありませんでした。

社長になって、いい車に乗って、いい生活をして・・・というために、必死にブランドを作ろうとしたのではないのです。社員に集まってほしかったんです。

カフェスペースやワインセラーがある会社で、海の家でシャンパンが飲めて、給料も高くて、人気企業ランキング上位の会社。だから、優秀な人材が集まって、頑張ってくれる。そう思って、身の丈をはるかに超えて投資していました。


負債総額は42億円にもなっていました。


本書を通して安田氏について知ろうとすると、本当に「子供みたい」という言葉が浮かんできます。
ある意味、非常にピュアで。
気持ちがわかる部分もあります。


私にとって、会社はたんに仕事をするだけの場ではなかった。
人生を共有する場であり、生きていく場であるような気がしていた。
そして何より、自分はこう考えている、こう生きている、という想いを表現する場だった。
会社を通じて社会に発信することが何よりも大事だったのだ。
それは、社会の常識に対する挑戦だったり、福利厚生が充実した理想の会社というメッセージだったりした。
ひと言で言えば、安田佳生という生き方そのものを表現する場だったのだ。



そのこと自体を「間違っている」と言うことはできないでしょう。

社長をやっていた20年間、楽しくて幸せだったというのですから。

でもやはり、「寂しさを埋めるための仕事」は、いつまでたっても寂しさから抜けられないのでは・・・という想いが頭をもたげるのです。



それにしても、こんな告白本を書いちゃうあたりも、すごい。
賛否両論ありそうですね。



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