先日、池袋に新たにできた書店「天狼院書店」に行ったときに、とりわけ分厚い本があって、ナニコレ?と手にとったのが本書。



ちなみに店主の三浦崇典さんには「それ読みたいと思ってたのに、買われた!」と言われましたw

私のフェイスブックのほうで、この本を読みながら思ったことや面白い箇所をつらつらと書いているものを、まとめておきたいと思います。


『聖書男』を読みながら 1 混紡の服は着ちゃいけない

かなり分厚い本で、持ち歩くのも手に持って読むのも大変な『聖書男』(A.J.ジェイコブズ 阪急コミュニケーションズ)。

ニューヨークに住む不可知論者のユダヤ人著者が、旧約・新約ともに聖書の教えを忠実に守って生活をするというチャレンジを1年間行った記録です。

一昨日たまたま天狼院書店で見つけ、読んでおります。

キリスト教の世界だけでなく現代のアメリカ文化もタップリで、ほんと面白いです。びっくりするようなことがたくさん載ってる。

ということで、読みながら面白かった部分をFBにメモしていきたいと思います。備忘録も兼ねて。

まずは、
二種の糸で織った衣服を身に着けてはならないという教え。

現代ではこんなおかしな決まりを守ろうとする人はアメリカ広しといえども他にいないだろう…と思ったら大間違い。

なんと、検査員が家を訪問してシャツやパンツを調べ、「隠れ混紡」がないか確かめてくれるというサービスがあるんだって。

著者のジェイコブズも早速調べてもらってます。

とにかく品質表示ラベルを信用してはいけないと検査員。

一着、リ ネンと毛の混紡の疑いがあるスーツが見つかって、研究所に送ることに。。

ジェイコブズはこの不可解な教えにどんな意味があるのか考え、検査員にも聞きました。

しかし、検査員にもよくわかりません(笑)

"ときとして、親は子どもにわけのわからないルールを課す。例えば、火に触ってはいけないとか。子どもには理由がわからないが、彼らのためになる"


火に触ってはいけないのは、理由がわかりやすいんじゃないですかね?



『聖書男』を読みながら 2  生理中の女性に触ってはいけない

旧約・新約ともに聖書の教えを実践するチャレンジをしているユダヤ人のジェイコブズ。

実際かなり守るのが難しいのが、生理中の女性に触ってはいけないというやつでしょう。

生理開始から7日間は触ってはいけないとのことで(ヘブライ語聖書)、ジェイコブズは奥さんに一週間も触れなくなってしまいました。

家の鍵を渡すときも念のため15センチ上から落とす。
もちろん奥さんは怒ります。

女性からすると、生理期間を不浄なんて言われるのはムカつくわけで、なんだそのへんな決まり!アホか!と言いたくなりますが。

歴史的、文化的背景として、肯定的な解釈もあります。

この期間、妻を避けるのは女性蔑視ではなく、生に対する畏敬の表れだと。生理は言うなれば小さな死であり、敬意を表すひとつの方法なのだと。

しかしいくら肯定的解釈を伝えても奥さんをなだめることにはなりませんでした。

"頭でっかちのシラミみたい。神学的シラミだよ"


などと、私には思いもつかないような悪態をつきます(笑)
どういうことなんでしょう。。

友人ともキスやハグをする文化のアメリカですから、さらに難しいですよねえ。

相手が女性のときはいちいち確認するか、最初からすべて拒否するかしないと。

このばかばかしいチャレンジは置いておいても、昔からどのように捉えられて来たのか知るのは面白いです。




『聖書男』を読みながら 3 創造論者と進化論者

たしか『ふしぎなキリスト教』(橋爪大三郎、大澤真幸 講談社現代新書)にもあったと思うけど、現代のキリスト教信者は「創世記」の話と科学とをどう折り合いをつけているのか?という話があります。

つまり、神が天地を創造し、アダムとイブが最初につくられ、リンゴを食べてエデンの園を追放されて、そのあとノアの箱舟が登場して…っていう話と、ビッグバンとかダーウィンの進化論といった科学の話との矛盾をどう解消しているのか、という。

聖書の教え実践中のジェイコブズは、ケンタッキーにある建設中の「創造博物館」に行きます。この博物館は、わずか6千年足らず前に神が塵からアダムを作ったと信じる人びとによるものです。

そこにはエデンの園のやノアの箱舟の巨大なジオラマがあります。

創造論なんてこれっぽっちも信じないジェイコブズは、博物館創設者、広報担当、専属の宇宙物理学者などさまざまな人に会って、可笑しな会話を繰り広げるのですが、

とりわけ笑ってしまったのは、カールという創造論者の話。

カールは、映画やテレビ番組をチェックし、進化論を擁護する内容が含まれている場合は、すぐさまそれを仲間たちに知らせるという役目を負っています。
『ファインディング・ニモ』は「おじさんは進化に勝てないよ」というセリフがあった、『ギリガン君SOS』は二度も”先史時代”という言葉を使った…などなど。

カール自身が大好きな映画『秘密兵器リンペット』では、なんと登場人物の科学者が「我々の先祖が魚だった」という話をはじめてしまい、落胆。その映画を見ていた家族に事情を説明しなくてはならなかったそうで。

つらい立場ですねぇ。
想像すると・・・悪いけど笑っちゃう。

それにしても、創世記は神話としてそれはそれで信じ、進化論や科学はそれはそれで信じる、という人が圧倒的多数なのではないか、というか、そうじゃないと無理じゃない?と思っていたのですが。

どっちかしか信じない!
っていう人も実際には多いのでしょうか。

ジェイコブズは、創造論者は決してバカではないと述べたあと、こんなことを書いています。

”問題は、聖書に書かれていることを絶対視するあまり、あらゆるデータを強引にねじまげ、創世記の記述に合うようにしてしまうこと。実際、よほど頭が切れないと、優秀な創造論者にはなれない”


そうでしょうねぇ。




・・・と
引き続きフェイスブックにつらつら書いていきます。
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