こんな表紙の本にはイヤでも目がいきますね。
みうらじゅんとクドカンが浴衣着てるっていう。
男と女、人生、趣味と仕事・・・・・・
くだらなすぎて今さら人に聞くのは恥ずかしい”素朴な疑問”に永遠の中2たちが真っ向から挑む!
ロマンチックで下世話な哲学問答集ーーー
っていう帯の言葉にも心惹かれます。
タイトルの「どうして人とはキスをしたくなるんだろう?」に関しては、二人のファーストキスの思い出話にはじまり、「思春期にロマンチックが足りなかったから、年取ってロマンチックを取り戻したいんだよね」という結論になっていました。
今からでも遅くない。キスしてロマンを取り戻そう、とw
もともと口は感情を言葉で伝える器官だから、キスで感情を伝えるって正しい気がするとクドカン。
「でもさ、言葉で伝えるよりキスしたい。最近特に」とみうらじゅん。
基本、本当にくだらないんだけど、時折ぐっとくる言葉があるんですよねぇ。
いや、くだらなさにぐっとくる部分も多くあるんですが。
以下は、みうらじゅんの言葉より。
■「”許される嘘”ってどんな嘘だろう?」より
この世でホントの正直者って他人に正直な人でしょ。自分に嘘ついてもね。
■「どうして歳を取ると涙もろくなるんだろう?」より
死ぬってわかっているのに生きてるって実はすごく悲しいことだよね。最後の最後に本当の悲しみが待っているのを知っているからこそ、人は人との別れを涙を流してごまかして生きているんじゃないかなって気もするなぁ。切ないね、人間って。
■「お金が大事なのはどうしてだろう?」より
今の日本って精神的に不景気な感じがするんだよね。心が貧乏臭いっていうかさ。なんか、どんどん価値観がせばまっていく感じがするじゃん?そこを心配すべきなんじゃないのかな。本来は自分に理解できないからこそ掘る面白さもあるんだけどねぇ。お金に換算できるものって大概、貧乏臭いと思うけどね。
■「趣味が大事なのはどうしてだろう?」より
ホビー教の教えにならうなら、「半信半疑を続けろ」がすごく重要だから。趣味って、「こんなのに時間とお金使ってていいのかな、俺?」って常に問いかけながら付き合っていると、長続きするんだよね。それはブームに乗っかってるわけじゃない。自分の中に価値基準をつくっていく作業だから。
軽妙な対談ですが、なんか哲学的な言葉が出てくるのは、やっぱりみうらじゅんですねぇー
クドカンは合いの手的なのがうまいのかも。
私は「ものを書く人が、どうやって書いているのか」に興味があるので、クドカンの『あまちゃん』の脚本を書いているときの話をメモしておきます。
15分のドラマでも台本にすると20ページほどの分量があるそうで、これを毎日毎日書くのは相当なプレッシャーだったそうです。
1日1話書くのが限界で、1話書くのに平均で8時間かかる。
調子良くて1話と半分ぐらい書ける日もあるけど、逆に全然進まなくて1日1話のペースが崩れた日はもう鬱々としてきて、とてつもなく怖くなるときがありますね。
そうだろうなぁ、想像しただけで恐ろしい。
ものすごい体力いるなぁ・・・。
そんなふうに闘って、あの素晴らしい脚本ができているんですね。
さてこの本、電車の中でも読んだのですが、カバーはかけてもらったほうが良かったなーと思ってしまいました。目立ちすぎて恥ずかしかったデス。