朝の瞑想は思わぬ邪魔ですっかりダメになったので、あらためて昼過ぎに挑戦した。「外で」瞑想である。

アツシ(ダンナ)と2人で近所の川沿いを散歩し、遊歩道前の石に座って休憩。
途中にあった天然酵母パン屋さんで買ったコッペパンなどを食べる。ふんわり甘くて美味しい。

天気もよくてのどかだ。遊びに来ている子どもたちが、落ち葉を拾って遊んでいる。

一息いれたあと、アツシには「瞑想するから邪魔しないように」と伝え、私は目をとじてゆっくり呼吸をはじめた。

アツシは隣で本を読んでいる。

風が気持ちいい。空気はひんやりとしているが、閉じた目にも光を感じる。キラキラ。

しかし、そのまぶたの裏にはイライラの元たちが浮かんでは消える。くそっ。こんなにのどかなのに何故だ。
仕方なくイライラに付き合ってしばらくすると、静寂が訪れた。

身体の力が抜けて、顔の力も抜けて、口がポカンと開いてきているのを感じる。ふんわりと何かに包まれているような、気持ちよさ。すごくラクだ。

たとえて言うなら、寝落ちする直前のような気持ちよさである。

ちょっと待て、私は寝ているのか?

いや、頭はハッキリしている。先ほどの、勝手にイライラの元が浮かぶのとは違って、自分で思考をコントロールできる。考えたいことを考えることができる(ただ、とくに何も考えたくないので考えない)。
だから寝ているわけじゃない。

しばらくその状態を味わったあと、目を開けた。
アツシに、いま起きたことを話すと、俺もだと言う。


え?


本を読んでいたら、体がだるく気持ちよくなって、寝かけたと。

いやいや、だから私は寝てないんだってば。あれはニルヴァーナに近いんじゃないか。そう話す私、我ながらかなり眠そうである。

「寝てるって、それ。間違いないよ。」


・・・穏やかな秋の日の光の中で、夢をみていたのかな?



Yogaではじめる瞑想入門
綿本 彰
新星出版社
2006-03