最近、呼吸法も流行っているらしく、本屋さんに行くと呼吸法の本が平積みになっている。

私はまず、以前から気になっていた『呼吸の本』(谷川俊太郎 加藤俊明 サンガ出版)を読んでみた。

呼吸の本
谷川 俊太郎
サンガ
2010-01-22



詩人・谷川俊太郎が生徒になって、呼吸の先生・加藤俊明に質問を投げかけている本だ。

加藤メソッドの呼吸法でまず重要なのは、
「吐いてから吸うこと」だという。

深呼吸は、ラジオ体操のときにやるやりかたで、「大きく吸って―吐いて―」と、まず吸ってる。これは胸が主導権を握っている。

それに対し、まず吐く。吐いたあとに力を抜けば勝手に空気が入ってくる。
というのが呼吸法だ。腹が主導権を握っている。

ふーん。なるほど。

実際やってみると、吐くことに集中したほうが、はるかに下腹に力が入る感じがする。


コラムの中に面白い話が載っていた。

昔、武士は戦場でお茶をたてた。そのとき、塔籠を持っていったという。

あの重たい石のかたまりを、わざわざ戦場に持っていくのは、清めの火だからだろう、と加藤先生は言っている。

で、この塔籠の火袋の窓の中がすごくて、丹田に似ていると。

丹田(ヨガでは第2チャクラのスワディシュターナ)はおへその下9センチくらいのところにある。

ここに、静かなエネルギーが満ちている状態がいいのだが、塔籠の窓から見える火をイメージしたら、なんだかすごく納得した。

「熱いマグマ」より、こっちのほうがイメージしやすい。

加藤先生曰く、

丹田を清めていけば、心が清められる。すなわち「心が落ち着いて穏やかになる」


のだそうだ。