注文していた『The ZEN of STEVE JOBS』が届いた。

A4サイズ、80ページのコミックだ。正確には「グラフィックブック」と言うらしい。

20140117JOBS2


2色刷りで、シンプルなコマ割りとイラスト。

描かれているのは、スティーブ・ジョブズと禅僧乙川弘文(おとかわこうぶん)との交流だ。

日本語版も出ていることに気づかず、英語版を買ってしまった。

ま、コミックなら何とかなるでしょ、というのもあって。

英語でどんな表現がされているのかにも興味があったし。

しかし・・・

私の語学力ではけっこう難しかった。

ジョブズと弘文氏が禅問答(公案)のようなやりとりをしており、たぶん日本語でも混乱するのだろうが、英語だとさらに混乱するのだ。

たとえば、
あの木にはブッダの自然があるか?
ある。
あの看板には?
ない。
あのビルは?
・・・
などというやりとりをしたあと、ジョブズが”SO AM I RIGHT?”と聞くと、弘文は”ASK ME AN ANSWER."と答える。

ジョブズは”WHAT ARE YOU TALKING ABOUT?!”と混乱する。


なんとなくわかるけど・・・この場合の”ASK ME AN ANSWER."ってどういうことなのだろうと私も混乱するのであった。


ストーリーの象徴的部分を紹介してみよう。

ジョブズは美しいデザインのコンピューターを作るため「間」について学びたいと弘文に言うが、弘文はなかなか教えてくれない。

無について知らなければならないと言って一緒に坐禅を組み、書道を教える。


「誤」という字を書いてみせ(書き順がめちゃくちゃである)、ジョブズにもやらせる。

ジョブズの書いた「誤」はすごく汚い。

KOBUN:WHAT DO YOU SEE ON THE PAPER?

JOBS:WELL,THE CARACTER.

KOBUN:AND WHAT IS THE CARACTER MADE OF?

JOBS:LINE.

KOBUN:AND WHAT MAKES THEM LINES?

JOBS:ARE YOU SERIOUS?

KOBUN:TODAY,THERE IS NO BULLSHIT.

JOBS:THEY'RE MADE WITH A BRUSH,ON PAPER.

KOBUN:WE SHOULD MEDITATE. I DON'T KNOW WHERE YOUR HEAD IS.


そして坐禅を組み、瞑想。

ここでまた禅問答がはじまり、ついに「周りの空間がLINESを作っている」ということに気づくジョブズ。

つまり・・・これが「間」?それだけ?

そんな簡単なこと、なんで教えてくれなかったんだよ!

瞑想はなんだったんだよ!


イラつくジョブズに弘文は「頭で考えてもダメなんだって。」


アップルの社屋デザイン、製品のデザインに禅がいかされていることを示唆しながら、ジョブズが弘文のことを尊敬し慕っている姿を見せながら、最終的には、本当にわかりあえたわけではないことを感じさせるストーリー。



ジョブズの完璧主義は、禅と相容れない部分があるようだ。

そんなことがわかる面白い本だった。

ここに描かれている禅は、アメリカ人が理解する「禅」なのだろうと評している人もいた。なるほど、そうなのかもしれない。

禅を英語で表現するのって、そもそも難しいのではないだろうか、ということも思った。


Forbsで一部読むことができる。


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ちなみに、私は何故か間違えてこの本を同時に2冊買ってしまった。


興味のある方にさしあげたいので、欲しい方はご連絡ください。英語版です。