だいぶ前にいただいた本なのだけど、ようやく読みました。

セールスコピーライター/マーケッターの伊勢隆一郎さんの本です。

セールスライティングのテクニック、ネットビジネスのノウハウを身につけることで、稼げるし時間や場所も自由だよ、これこそ新しい働き方だよ・・・っていうような内容なんだろうなと思って読んだのですが。

予想に反して(すみません)、良かったです!


まず、一人の起業家のストーリーとして面白く読めました。

伊勢さんは大学時代に仲間と起業するんです。事業内容はデジタルファッション誌の制作です。
ファッションのことも映像制作のこともわからないのに、情熱で突き進み、裏原系人気ブランド「ナンバー9」を口説き落としたり、ツタヤやブックファーストに置いてもらえるようになったり、数億円単位の出資話が出たりと、かなり盛り上がった感じが伺えます。

でも、ITバブルがはじけて出資話は頓挫し、デジタルファッション誌自体なかなか売れず、うまくいかなくなって解散。
借金を残したまま、ニートのような生活を送ることになります。

1年半、収入ゼロだったそうです。

その後、セールスコピーライティングに活路を見出し、どんどん仕事が舞い込むようになったのですが、今度は忙しすぎてダウンしそうになります。

それで、今度は下請け的仕事から脱却して、システムの販売を始めます。収入は増え、時間に余裕もできるようになります。でも、今度はお客様のためを思うことができなくなり、実際にお客様がジリジリと減っていくのを体験するんですね。

でも、メンターに助けてもらいながらそんな危機を脱して、最終的には(現時点という意味ですが)本当に自由になっているんです。

「12時間で5億稼いだ」という言葉だけ聞くと、なんかイヤな感じ(笑)もしますが、本人はお金に執着していない。お金は必要なものだけれど、お客様のためを思って仕事ができることや、強い信頼関係が築けていることを幸せに思っていることがわかりました。

本の後半に「究極の理解」という話がでてきます。
この部分だけでも、読む価値があるなーと思いました。

究極の理解とは、完全に自分の考えを外し、すべて相手のことを受け入れることで達する、100%を超える理解のことです。

人は誰でも、自分のことをわかってほしいと思っています。

商売をしている人は、「お客様の立場になって」「お客様を理解して」と言いますが、なかなか難しいものです。どうしても自分のフィルターを通してしまうからです。
自分の信念やルールを持ったまま話を聞いても、自分に都合の悪いところはねじまげたり、受け入れられなかったりします。
それを全部とっぱらって相手に向かうことを目指す、というわけです。


『究極の理解』こそ、あなたの働き方を変える唯一の方法です。



ヘンに自分の考えにこだわってしまうから、自由な働き方にならない。なるほどな。

最後に「究極の理解」を手に入れるためのステップが紹介されていました。

ステップ1 感情のボキャブラリーをより多く持つ
ステップ2 映画の登場人物の心情を想像してみる
ステップ3 さまざまな気持ちのバリエーションで手紙を書いてみる
ステップ4 日々相手の言葉のなかに隠されているものを探してみる



自分のフィルターを外すトレーニング、ぜひやりたいと思いました。