カリスマ経営コンサルタントで、ダイレクトマーケティングの第一人者、神田昌典氏の新刊です。

いやー
出ました、
独特の神田昌典口調(文体)。

たたみかけるような短文の繰り返し、だ・である調の中に突如あらわれるです・ます調。

そして、散りばめられる極端な表現。

「記憶喪失になっても思い出したいマーケティングの7原則」なんて、「またまた〜(笑)」と思いながらも、やっぱり引き込まれるんですよね。何でしょうね。ちょっと中毒性がありますよね。

読み終えたあとはしばらく、神田昌典口調であらゆることを考えましたよ。


さて、この本の原稿は10年前に書かれました。

1998年から2004年の約6年にわたって活動をした、神田氏主宰の「顧客獲得実践会」にて4000千社を超える会社が現場で実践してきたノウハウをまとめたものなのです。

ネット全盛期より前のアナログ時代に実践・開発されているので、今の時代に合わないかと思いきや、むしろネット全盛期の今だからこそ使える本質的なノウハウに熟成されていることに気づき、出版に至りました。

私は「顧客獲得実践会」に入ったことはありませんが、実践会メンバーの方々には何名か会いました。
いわゆる第2世代で、活躍している方が多くいらっしゃいます。

私にマーケティング、コピーライティングを教えてくれた、マーケティングトルネードの佐藤昌弘さんも第2世代。
同じく第2世代のKさん(この方も今大活躍されている方)が「神田昌典が教材を出せば、パブロフの犬のように瞬間的に反応してすべて買っていた」と言っていたことも思いだされます・・・。
だから、当時いかにアツかったか、というのは何となく感じていました。

そうそう、その界隈では「PASONAの法則」なんて知ってて当たり前みたいでしたね。
2007年の話ですけど。
私は知らなかったので、知っているフリをして話に加わっていました(汗)。
まァ当時の私は「B to B」すら知らなかったし、何も知らなかったので、いちいち質問していたら話がいっこうに進まないのです。

あ、「PASONAの法則」とはセールスレターをはじめ、人に行動を起こさせたいときに伝える順番を法則化したものです。神田氏が名付けました。

(1)Problem:問題点を明確化して伝える。
(2)Agitate:その問題を、身近に感じてもらえるように、炙り立てる。
(3)Solution:問題の解決策を伝える。
(4)Narrow down:その解決策を得られる人は、限られていることを説明。
(5)Action:行動を呼びかける。



今私はセールスレターを書く仕事をときどきやっていますが、オーダーの際に「パソナで」と言われることがあります。
はい、了解しました!
あのPASONAですね!


そのくらい、定番なんです。

でも意外や意外。書籍でこの法則について説明しているのは、これまでなかったそうです。つまり本書が初めてなんです。

これまでは実践会だったり、教材で伝えていたのですね。
でも、すごく効果があるから瞬く間に広がり、今や大元を知らずに使っている人もたくさんいるわけです。

プロローグによると、今30代くらいでインターネットマーケティングで活躍している人たちは第4世代だそうで。
早いですね。
第4世代の一部の人は、元祖のことを知らずに、逆に第2世代に説教したりすることがあるらしく、とある人が憤慨していました(笑)


で、神田氏が本書の中で懺悔しているとおり、PASONAをはじめとしたいろいろなノウハウが誤用・悪用されることもありました。

本来、顧客獲得実践会でやってきたことというのは、いかにお客様と継続的に関係を結んでいくかというのが前提にあったのですが、
継続性を無視した売り方が横行したり。

一回限りで、売り逃げるみたいな。

本書にあるようなノウハウは、ただ使うだけでも効果は出ます。でも、何のために?っていう前提がおかしいと、長い目で見てうまくいくことはありません。
お客さんにとっても本人にとっても不幸なことなのです。

本書には実践会の事例、広告例がたくさん載っていて、それらに触れるだけでアイデアがたくさん湧いてくると思います。私も、「ああ、まだまだ山ほど工夫できるところがあるなぁ」と思い、メモをしました。
同時に、本当に実践の中で、頭に汗をかいたから出てきた成功例だし、そこから抽出したノウハウなのだということに思いを寄せることは重要だと思いました。

何故、このノウハウが出てきたのか、という部分です。

それを知らずに、効果があるからと言って使うのはキケンな部分があるのです。


そういったことを含めて、ある程度マーケティングやコピーライティング勉強したよ!っていう人の「学び直し」に最適な本なのではないかと思いました。



ちなみに、「記憶喪失になっても思い出したいマーケティングの7原則」がどんなものか気になっている人がいるかもしれないので、最後に紹介しておきますね。

その1 緊急性
その2 限定
その3 ファクス
その4 指を動かせる
その5 思い切った保証
その6 明確な指示
その7 お客様の声


それぞれ詳しくは本書をお読みください☆