私が独立したての頃から一緒にお仕事をさせてもらっている、広告ディレクターさんがいます。
すごくディレクション能力が高くて、私は全幅の信頼を置いています。お客様からの信頼も厚く、依頼がひっきりなしです。
2年くらい前かな、その彼がこんなことを言っていました。
「デザインは誰でもできるけど、コピーはセンスが必要ですからねぇ」
すごくディレクション能力が高くて、私は全幅の信頼を置いています。お客様からの信頼も厚く、依頼がひっきりなしです。
2年くらい前かな、その彼がこんなことを言っていました。
「デザインは誰でもできるけど、コピーはセンスが必要ですからねぇ」
私は非常に興味深く感じました。
もうちょっと正確に言うと、こういうことです。
そのディレクターさんは、自身がデザイナーでもあり、そのデザインがいいと言ってお客さんが集まってくるのですが、実際にはご本人はディレクションをメインにしており、デザインはスタッフさんや外注さんがやっています。
このクライアントならこのデザイナー、こんなテイストならこのデザイナーというように割り振りつつ、細かい指示をして、デザインを完成させているのですね。
「指示さえ的確にすれば、誰に頼んでもちゃんとできるんです」。
ところが、コピーはそうはいかない。
いくら「こんな感じのコピーを」とお願いしても、「センスのない」人からは出てこない、と言うのです。
私はどちらかというと、デザインのほうがセンスの必要な仕事だと思っていたので驚きました。
じゃ、センスって何なのでしょう。
そのディレクターさんは、私以外のコピーライターにも仕事を依頼していましたが、「クライアントからの修正が多くて大変だった。小川さんのコピーは修正が少なくて助かる」と言っていました。
つまり、「クライアントの要望をとらえているかどうか」を「センス」と表現しているのだと思います。
当たり前ですが、斬新で面白いコピーを提案しても、クライアントがNOと言ったら絶対に世に出ることはありません。
大切なのは、「ちょうどいいところ」を探って出すことです。
商品や会社についてヒアリングし、これまでの広告のテイストや雰囲気を把握し、競合について調べた結果、「これが最もいいコピーです」と提案します。その過程においてクライアントと広告チームで「こんな感じがちょうどいい」という合意みたいなものができてくるので、それを言葉にして出せばいいのです。
その、言葉では表現できない「合意みたいなもの」をはずしてしまうと、修正だらけになります。
クライアントからすると「違う違う!そういうことが言いたいんじゃないんだ!わかってないな!」となります。
修正ならまだいいけど、「次はこの人に頼むのやめよ」と思われてしまいます。
だから、「言葉のセンスがある」のではなくて、「情報をよみとるセンスがある」という感じだと思います。
で、この「情報をよみとるセンス」というのは、意外と言葉にしにくいのですね。
情報を並べて手順を示し、「こうこうこうやって作ればいいから」って指示しても、うまくいかない場合がある。
何が重要なのか考えてみると、やはり「想像力」なのかなと思います。
クライアントがAと言っても、本当にAと言いたかったとは限りません。「Aって言ったじゃん!」ではダメなんですよね。その人がどういう人で、どういう状況・状態にあるのか、どうしたいのかを想像するのです。
言葉を中心とした情報を受け取り、アウトプットは言葉ですが、その間には言葉にならないものがあるわけです。
デザインのほうは、情報をよみとるのをディレクターさんが担い、ラフを描いて指示すれば、そこからはなんとかなるということなのでしょう。情報をよみとってから指示を出すまでに同じようなプロセスを踏んでいるはずだと思います。
もうちょっと正確に言うと、こういうことです。
そのディレクターさんは、自身がデザイナーでもあり、そのデザインがいいと言ってお客さんが集まってくるのですが、実際にはご本人はディレクションをメインにしており、デザインはスタッフさんや外注さんがやっています。
このクライアントならこのデザイナー、こんなテイストならこのデザイナーというように割り振りつつ、細かい指示をして、デザインを完成させているのですね。
「指示さえ的確にすれば、誰に頼んでもちゃんとできるんです」。
ところが、コピーはそうはいかない。
いくら「こんな感じのコピーを」とお願いしても、「センスのない」人からは出てこない、と言うのです。
私はどちらかというと、デザインのほうがセンスの必要な仕事だと思っていたので驚きました。
じゃ、センスって何なのでしょう。
そのディレクターさんは、私以外のコピーライターにも仕事を依頼していましたが、「クライアントからの修正が多くて大変だった。小川さんのコピーは修正が少なくて助かる」と言っていました。
つまり、「クライアントの要望をとらえているかどうか」を「センス」と表現しているのだと思います。
当たり前ですが、斬新で面白いコピーを提案しても、クライアントがNOと言ったら絶対に世に出ることはありません。
大切なのは、「ちょうどいいところ」を探って出すことです。
商品や会社についてヒアリングし、これまでの広告のテイストや雰囲気を把握し、競合について調べた結果、「これが最もいいコピーです」と提案します。その過程においてクライアントと広告チームで「こんな感じがちょうどいい」という合意みたいなものができてくるので、それを言葉にして出せばいいのです。
その、言葉では表現できない「合意みたいなもの」をはずしてしまうと、修正だらけになります。
クライアントからすると「違う違う!そういうことが言いたいんじゃないんだ!わかってないな!」となります。
修正ならまだいいけど、「次はこの人に頼むのやめよ」と思われてしまいます。
だから、「言葉のセンスがある」のではなくて、「情報をよみとるセンスがある」という感じだと思います。
で、この「情報をよみとるセンス」というのは、意外と言葉にしにくいのですね。
情報を並べて手順を示し、「こうこうこうやって作ればいいから」って指示しても、うまくいかない場合がある。
何が重要なのか考えてみると、やはり「想像力」なのかなと思います。
クライアントがAと言っても、本当にAと言いたかったとは限りません。「Aって言ったじゃん!」ではダメなんですよね。その人がどういう人で、どういう状況・状態にあるのか、どうしたいのかを想像するのです。
言葉を中心とした情報を受け取り、アウトプットは言葉ですが、その間には言葉にならないものがあるわけです。
デザインのほうは、情報をよみとるのをディレクターさんが担い、ラフを描いて指示すれば、そこからはなんとかなるということなのでしょう。情報をよみとってから指示を出すまでに同じようなプロセスを踏んでいるはずだと思います。