日曜日に、無事引越し完了しました。

まだまだ荷ほどきは終わっていませんが、ひとまず生活はできるようになりました。インターネットもつないだし。

うーん、それにしても荷物が多い。開けていないダンボール約20箱は本。これでも引越し前に400冊程度は処分したのだけど・・・

事務所にも本が山積みなので、これをまた家に持ってきたらすごいことになっちゃいます。

さらに処分するしかない!と一瞬意気込んだのですが、イラストレーター、ルポライターの内澤旬子さんの『捨てる女』を読み終えて、ウームと悩んでしまいました。
捨てる女
内澤 旬子
本の雑誌社
2013-11-20



『捨てる女』は、もともと収集癖があって、ものを捨てられない内澤さんが乳がんの治療をきっかけに突然「何もない部屋」に住みたくなり、「捨て暮らし」をはじめる・・・というエッセイです。

仕事に使う資料をたくさん買い込み、捨てられない。
たとえば世界各地の地図、辞書類、装丁のための書体の歴史や文様パターン集。イラストのために買った江戸風俗図絵に戦車写真集。「いつか本作りに活かせる」と思って集めた素材もたくさん。

これらが膨大な量になり、都内の決して広くない部屋ですから生活スペースを圧迫します。

「その気持ち、わかる〜!!」

とっても共感してしまうのです。
私の家も、「仕事に必要だから」といって集めた本がたくさん。

洋服や食器なんかは、わりとポイっと捨てられますが、本を捨てるのが大変なんです・・・
本こそ、また同じものを手に入れやすいのにねぇ。

内澤さんは乳がんの治療をしていく中で、突然「もう荷物を見たくない。何もないガラーンとした部屋に住みたい」と思いはじめ、それでも悩んだりしながら4年かけて捨てまくります。

世界各地で集めた古書も、仕事で描いたイラスト原画も全部手放します。

「捨てる」ってある種気持ちがいいし、
さぞかしスッキリしたのだろうと思いきや・・・


あとがきにこうあります。

あきらかに捨てすぎてしまった。手放すべきではなかったモノや本のことを思うと、胸が痛い。あれもこれも、手放すべきではなかった。いや、落ち着いてみたら、捨てなければならない本なんて、本当はほとんどなかったのではないだろうかとまで思えてきた。


エー!


どうにもこうにも、「高い家賃を払いながらも、モノや本を置いておけないすっきりした暮らし」がやっぱり合わない。忙しすぎるし、つまらないし、寂しいし。



高い家賃を払うため、頑張って働かなくてはならない。忙しく働いていながら、「最低限のモノしかない」っていうのがつまらん!っていう・・・


しかしこの悩み、程度の差こそあれ、都市近郊の住人ならば、それほど珍しいものではないようだ。発作的に蔵書を一気に処分して、あとからじわじわと後悔しているという話を、何人もから聞いた。そうそう、発作的にやるのは本当によろしくない。じっくり考えて選別しないと、あとから泣くことになってしまう。



うーむ。確かに、発作的にやるのはよくないのかも・・・

ほぼ同時に読んだ『わたしのウチには、なんにもない。』はじめ、多くの片づけ本では「思いきって捨てても、あとから後悔することはまずない」と言っていますが。





自分の心地いい範囲を超えてしまうと、やっぱり後悔するもんなんですね。

何もないガラーンとした部屋にも、憧れるのですが・・・

じっくり選別していこうかと思います(><)


最終的に内澤さんは、それほど捨てまくらなくてもスッキリした暮らしができるよう、東京脱出を企てています。

そういう考えもアリですよねぇ。


捨てる女
内澤 旬子
本の雑誌社
2013-11-20