ブックライターの仕事のスタートは、基本的に取材から始まります。

取材がとーっても大事です。

一冊の本を書くために必要な取材時間はだいたい10時間。

2時間を5回とか、3時間を3回という感じで著者さんに時間をとってもらい、シッカリお話を伺います。

編集者さんが同席する場合もあれば、ライターのみで行う場合もあります。

私のこれまでの経験では、編集者さんが同席することのほうが多いですね。
とくに最初の段階で目次、項目がザックリしている場合は編集者さんもお話を聞きながら本の構成を一緒に練ったりします。

取材のやり方は著者さんや内容によってさまざまで、
最初の項目案に沿って順番に話してもらうこともありますし(セミナーみたいな感じ)、
話しやすいところから話してもらって、会話しながら詰めて行く、
こちらからガンガン質問して答えてもらう、
などです。

セミナーのように、どんどん話してもらう場合も、話していただいたことがそのまま文章になるわけではありません。

情報が不足している部分、自分の理解が足りない部分はその場で質問して、補っていきます。

読者の疑問を想定しながら、「この本を読む人はこんな悩みがあると思うのですが〜」とか「読者はこういうことが知りたいと思うのですが〜」などという質問も忘れずに。

読者の目線を常に持ちながらお話を聞くことが重要です。


同時に、著者さんが求めているもの、伝えたいと思っているコアの部分を感じ取るようにします。

この取材がうまくいけば、あとから「イメージと違う」なんていうトラブルにはなりません。

そして、「取材の時は盛り上がったけど、いざ書こうとすると情報足りないし、あちこち矛盾してるなあー」なんてことにもなりません。
(この状態はホント辛いことになるので、取材の際にしつこいくらい確認しておくことです!)

理想は、取材中に、著者・編集者・ライターともに「この本はイケる!」みたいな手応えを感じられることですね。

時々あるんです。
この本は間違いなく読者に喜んでもらえるぞ!ってイメージがバシーっとくるときが。

そうなると、俄然やる気がアップして、みんなで頑張ります。
これは楽しいですよーホント。

もちろん、最初からイケると思っているから企画がスタートしているんですが、取材中に誰かが不安になるケースもあります(笑)

この本、ほんとに大丈夫かな・・・と。

私が不安になることはあまりないですよ。
編集者さんが、私に電話をかけてきて「本当に本になりますか?」と聞かれたことは何回かあります。

「話聞いてみたら、一冊になるほどコンテンツなさそうじゃないですか…。書けますか?」とか(笑)

そういうとき、「大丈夫、なんとかしてみせます!」と答えて安心してもらっています。

そう、なんとかするのです!

これまでなんとかならなかったことはありません。
著者さんさえやる気があれば、いろいろ協力してもらってネタを引き出すことは可能です。
やる気なかったら無理ですけど。

著者さんが「こんなんで本当に本になりますか?」と不安になっているときも、もちろん「大丈夫!」と答えます。

そんな役割も、あるんですね(?)

とにかく、取材は方向性を確認したり、関係者の気持ちを盛り上げる意味でも大切なのです。




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