二度めの陣痛タクシー。

移動中も何度か痛みの波におそわれ、顔をしかめてフーフー言いながら耐えます。

病院に着き、名前を呼ばれる間に涙が出てきました。

みんなこんなに痛い思いをしてるの??

ぽろぽろぽろ。



名前が呼ばれ、また陣痛をはかるモニターをつけました。

「うん、10分間隔になりましたね。本陣痛です」

やったー

本陣痛認定出た!!


しかし、子宮口はまだ4cmくらいです。

「ゴロゴロしてても進まないので、ご主人と一緒にそのへんを散歩して、夕飯を食べてきてください」


え?!

ウソでしょ?

この痛みの中、外を歩けと?


オニだと思いました。。

ダンナにささえられフーフー言いながら、外を歩きました。

食事どころではありませんが、近くのピザ屋へ。

痛みの波がくると、椅子を強くつかみワナワナと震えてやり過ごしました。

しかしこれ、外から見たらどううつるのだろう。。
「は、はやく病院へ・・・!」と言いたくなるのではなかろうか。

ピザを一切れどうにか食べて店を出、少し歩いてから病院に戻りました。

助産師さん「先生、小川さんもう入院でいいですか」
先生「うん」

ああ!
やっと入院できる!!
ありがとう!

こうして夜7時すぎに晴れて入院となりました。

陣痛の間隔は短くなってきています。
子宮口は6センチ。。

助産師さん「さらに進めるためにヨモギ蒸ししませんか」

噂のヨモギ蒸し。

リラックスのためにやるわけじゃないのね。。

全裸になってケープのようなものを身につけ、下から血を流しながら蒸気をあてます。

血と汗がダラダラ。
痛みもすごくて、修行のようです。

30分のヨモギ蒸し修行のあとは、大きなオムツのようなパッドをあて、前開きのパジャマでいったん部屋に戻りました。

もうこのあたりから意識は朦朧とし、記憶もハッキリしません。

いえ、朦朧とした意識と覚醒した意識が同居している感じで・・・

いろんなことを考えたし、時間の感覚がなくなりました。

陣痛は1分間隔になり、もう息もつけません。いきみ感も出てきました。こらえようとしても勝手にお腹に力が入ってしまう感じ。ますます辛くて、限界です。


こんなに痛いのに、何故気絶しないのだろう。気絶したい。意識を失ってしまいたい。
というかもう死んでしまいたい。
全部なかったことにしてください。
私もう無理です。もう死ぬんです。
それでいいです。
ああでも、そうしたらこの子はどうなるのかな。この子を置いていったらかわいそう。
でもそれも仕方ないくらい、私はこれ以上無理です。いっそ殺してください。


朦朧とした意識と覚醒した意識との混濁の中で、そんなことを考えていました。

そして現実の私は「助けて」
泣き声でダンナに訴えています。

自分が赤ちゃんみたい。

この痛みをどうしようもないことはわかっているのに・・・

「小川さん、先生が内診するので分娩台に移動します」

何時のことだったのでしょうか。
ついに分娩台に上がることになりました。


つづく。