ついに分娩台に上がりました!

先生が股をグリグリ。
「はい、全開です」

子宮口全開!

これでもう産める!!




痛みの波が強くなったときに息を大きく吸い、止めてめいっぱい力をいれるように指示されました。

頭をやや持ち上げて、赤ちゃんが出てくるところを見るようにして。

何度かチャレンジしたあとで助産師さんに交代。
分娩台より木の椅子がやりやすいだろうってことで、木の椅子に座りました。お尻の部分はあいていて、まあトイレみたいな感じ。

トイレでいきむのと同じ感じです。

ダンナが背もたれのようになって、後ろから私を支えています。
助産師さんは私の股の下に手をあてて、赤ちゃんをとりあげるべくスタンバっています。

スー
フンヌヌヌヌヌヌヌ!!

血管切れそう。
そして陣痛が痛すぎて呼吸困難になりそうです。

もう一回。

ダメ、動かない。

もう一回。

もう一回・・・


そのとき、信じられないことが起こりました。

「小川さん、いったんショーツをはいて部屋に戻りましょう。
別の方が先に産みます」

え?!

ちょちょちょちょっと待って、
いま産むから!!


「い、痛い、痛いです!(この部屋にも居たいです)」
泣きながら訴えましたが、
「はい、息をゆっくり吸ってー、吐いてー」となだめるように言いながら私にショーツをはかせる助産師さん。

そんなバカな!

そう、私の行っている産院には分娩室が一つしかないのでした・・・

緊急帝王切開が入ったようで、私は部屋に戻されました。

このとき私のパジャマはすでに血だらけ。
痛みは絶好調。
心は折れた。


もう私死ぬぞ!ほんとに!
いいんだな!


心の中で悪態をつきながらベッドに倒れこみます。
そしてジタバタしながら泣き叫びました。

「痛いー!痛いよー!もう無理ー!」

ダンナは血だらけでもだえる私を見て、医療事故かな、と思ったそうです。
壮絶な光景だったと。

泣きながら痛みに耐えていると、

すぐ隣の分娩室から、赤ちゃんの泣き声が聞こえました。

オンギャ、、

うまく泣けない様子で、
何度も短い泣き始めの声を繰り返しています。

え、赤ちゃん泣けないの?

たとえようのない不安。



このまま赤ちゃん泣けなかったらどうなってしまうのだろう?
私もどうなっちゃうのだろう?

朦朧&覚醒した意識でまたいろいろと考えていました。


しばらくして先生が部屋に入ってきました。
ダンナはすぐ、「大丈夫ですか」と聞きました。泣けない赤ちゃんのことを聞きたかったのだと思います。
しかし先生は、私のことだと思ったようで「ちょっと陣痛が弱いみたいだから、促進してみましょう」と答えました。

じ、じんつうがよわいからそくしんする・・・

再び分娩台に乗った私は、陣痛促進剤の点滴をしながら、また力いっぱいいきみました。

心はとっくに折れているけど・・・


つづく。