書きやすいところから書いて、不足を埋めていくわけですが、、
「どうやってふくらませたらいいですか?」と質問されることがあります。

言いたいことは一行で終わる。
あと何を書いたらいいのか?とw
一行は極端ですけど、数行で終わっちゃうっていう悩みはありますよね。

ちなみにブックライターの仕事は、著者の言いたいことをふくらませて書くことではありません。

どちらかというと、コンセプトに合わせて取捨選択しながら研ぎ澄ましていくのが仕事なのだと思うのですが、(10時間以上のインタビューや過去のコンテンツなど大量の情報から原稿にしていくのが基本)
現実にはふくらまさざるをえないこともあります。

ある項目に関しては、あまり言うことがない。情報がない。
そんな場合はあるのです。

そういうときはどうするのか。

私もいつも苦しんでいるのですが・・・・・・、
いくつか視点をあげてみましょう。

(1)たとえ話を作る

最適なエピソードや具体例がない場合、たとえ話を入れてわかりやすくします。
あるある、と共感してもらえるように、読者を想像しながらたとえ話を作ります。
文章がわかりやすい人は、たとえ上手と言ってもいいかもしれません。たとえ話、比喩を作る能力ってけっこうハイレベルなんですよね。

(2)引用できるものを探す

メッセージの信頼性を高めたり、補強するものとして引用できるものを探します。
たとえば、「たとえる能力をぜひ身につけましょう」というメッセージを補強して、
古代哲学者アリストテレスは『詩学』の中で「もっとも偉大なのはメタファーの達人である。通常の言葉は既に知っていることしか伝えない。我々が新鮮な何かを得るとすれば、メタファーによってである」と言っています・・・・・・などと引用します。




(3)疑問、反論に答える

メッセージは一言で終わるシンプルなものかもしれませんが、それに対する疑問や反論に答えようとすれば、それなりに長さが必要になります。
読者はどんな疑問を持つだろう?反論があるとすればどのようなものだろう?と想像して書いていきます。

(4)5W1Hで考える

あらゆる角度から、言えることを探してみるというとき、
いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうやって
という5W1Hが役に立ちます。

たとえ話を作りましょうという話なら、
いつ、たとえ話をするか?
どこで、たとえ話をするか?
誰が、たとえ話をするか?
どんな、たとえ話をするか?
なぜ、たとえ話をするか?
どうやって、たとえ話をするか?

というように考えてみると、言えることが出てくるかもしれません。


もちろん、無駄に長くする必要はありません。

一定の分量がないと本にならないという紙書籍と違って、制限はないのですから、言えることが少ないのなら思い切って削るのも手です。

ただ、メッセージとしては伝えたいとか、項目が必要で、それをもっとわかりやすくするために、どうやってふくらませるか?というように考えていただければ。

つづく。



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