2019年も今日で終わりですね。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
私はおせち料理の準備をしたりしつつ、下の子がお昼寝をしたすきに「いまだ!」とパソコンに向かっております。
年の瀬の忙しいときに、こんな記事を読む人はいるんだろうか?我ながら物好きだなぁと思いつつ、止められないのでPISAの話を続けますw
これまでの記事はこちら
↓
【読解力】PISAの結果で、日本人の読解力低下がヤバイとわかった件
【読解力】PISA「読解力」の問題例を解いてみた
2018年度の結果で読解力が15位まで落ちてしまったのは、「日本の子どもたちがパソコン操作に慣れていなかったからだ」という説があります。
というのも、文部科学省・国立教育政策研究所が、データを示しながら「日本の生徒は機器の操作に慣れていないことが影響した可能性がある」と言っているのですね。
私はおせち料理の準備をしたりしつつ、下の子がお昼寝をしたすきに「いまだ!」とパソコンに向かっております。
年の瀬の忙しいときに、こんな記事を読む人はいるんだろうか?我ながら物好きだなぁと思いつつ、止められないのでPISAの話を続けますw
これまでの記事はこちら
↓
【読解力】PISAの結果で、日本人の読解力低下がヤバイとわかった件
【読解力】PISA「読解力」の問題例を解いてみた
2018年度の結果で読解力が15位まで落ちてしまったのは、「日本の子どもたちがパソコン操作に慣れていなかったからだ」という説があります。
というのも、文部科学省・国立教育政策研究所が、データを示しながら「日本の生徒は機器の操作に慣れていないことが影響した可能性がある」と言っているのですね。
1週間のうち、教室の授業でデジタル機器を利用する時間は、国語・数学・理科ともに短く、OECD加盟国中最下位です。
しかし、デジタル機器をチャットやゲームに使っている人はすごく多い。
ネット上でチャットをする人は87.4%にもなります。
一人用ゲームで遊ぶ人は47.7%。
この2項目はOECD平均を大きく上回っています。
他の項目を見ると、確かに勉強のためにインターネットを使うという人はかなり少ない。(しかし、「インターネットでニュースを読む」も43.4%で、OECD平均を上回っています!)
このデータから想像できるのは、LINEでのチャットやゲームはするけれど、パソコンで知りたいことを検索したり勉強したりはしない・・・・・・という子どもたちなのでしょう。
この調査を受けて、文部科学省の施策として「学校のICT環境整備の加速化に向けた取組の推進」がうたわれています。
だそうです。
しかしですよ。
PISAでパソコンを使うようになったのは今回からではありません。前回の2015年からであり、2015年の結果は8位でした。このときも、4位から低下したということで
とおっしゃっています(文部科学省・国立教育政策研究所)。
まったく同じ(汗)
つまり、わかっていたことだけれども、3年では全然間に合わなくてまたさらに読解力が低下してしまったということなのでしょうか。
気になるのは、こういったデジタル機器の利用状況と、得点との間の相関は何もわからないことです。
高得点の人がパソコンを普段から使っており、低得点の人は使っていないといったデータがありません。
一方で、読書をする人のほうが得点が高いことはデータが出ています。
また、パソコンで解答するようになったのは読解力の問題のみでなく、「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」もです。
数学的リテラシーは6位(前々回7位、前回5位)、科学的リテラシーは5位(前々回4位、前回2位)で、有意な低下とは見られていません。パソコン調査に変わってからもあまり変化はないわけです。
私自身は、PISA型読解力低下の原因を「パソコン操作に不慣れだったから」とするのがどうにも違和感があるのですよね。
パソコン操作の話ではなく、リテラシーの問題として語るべきではないかという気がします。
チャットやゲームばかりで、ネット上の情報を検索したり読んだりする機会が少なければ、当然リテラシーは身につきませんよね。
でも、情報を探して取り出すこと、批判的に読んだり、情報を整理して自分の考えをまとめるといったことは読書でも身に付けられることです。だから、本を読んでいる人はパソコン操作に不慣れであっても何とかなったはず。
もちろん、ネットの文章と本とでは当然違うところもあるから、戸惑いはあるでしょう。
インターネットのリテラシーが必要になりますね。
ネット上にはフェイクニュースも多い。
読みやすく整えられた文章ばかりとも限りません。
そういうことを理解して、どうやって信ぴょう性のある情報にたどりつくか、惑わされずに自分の考えを作っていくかというのが重要なのだと思います。
今後、一人一台パソコン導入などICT教育が進んでいくのだと思いますが、ツールの操作ではなく、リテラシーの部分を重視してもらいたいですね。
・・・と、今日はここまで。
読解力の話は来年もまだ続きます〜。
2020年はブログも頑張りたいと思っていますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします☆
しかし、デジタル機器をチャットやゲームに使っている人はすごく多い。
ネット上でチャットをする人は87.4%にもなります。
一人用ゲームで遊ぶ人は47.7%。
この2項目はOECD平均を大きく上回っています。
他の項目を見ると、確かに勉強のためにインターネットを使うという人はかなり少ない。(しかし、「インターネットでニュースを読む」も43.4%で、OECD平均を上回っています!)
このデータから想像できるのは、LINEでのチャットやゲームはするけれど、パソコンで知りたいことを検索したり勉強したりはしない・・・・・・という子どもたちなのでしょう。
この調査を受けて、文部科学省の施策として「学校のICT環境整備の加速化に向けた取組の推進」がうたわれています。
一人一台の学習者用コンピュータ、学校内全教室の高速かつ大容量の通信ネットワークの整備を推進
だそうです。
しかしですよ。
PISAでパソコンを使うようになったのは今回からではありません。前回の2015年からであり、2015年の結果は8位でした。このときも、4位から低下したということで
前回調査と比較して、読解力の平均得点が有意に低下しているが、これについては、コンピュータ使用型調査への移行の影響などが考えられる
紙ではないコンピュータ上の複数の画面から情報を取り出し、考察しながら解答するという問題などで戸惑いがあったと考えられる
とおっしゃっています(文部科学省・国立教育政策研究所)。
まったく同じ(汗)
つまり、わかっていたことだけれども、3年では全然間に合わなくてまたさらに読解力が低下してしまったということなのでしょうか。
気になるのは、こういったデジタル機器の利用状況と、得点との間の相関は何もわからないことです。
高得点の人がパソコンを普段から使っており、低得点の人は使っていないといったデータがありません。
一方で、読書をする人のほうが得点が高いことはデータが出ています。
また、パソコンで解答するようになったのは読解力の問題のみでなく、「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」もです。
数学的リテラシーは6位(前々回7位、前回5位)、科学的リテラシーは5位(前々回4位、前回2位)で、有意な低下とは見られていません。パソコン調査に変わってからもあまり変化はないわけです。
私自身は、PISA型読解力低下の原因を「パソコン操作に不慣れだったから」とするのがどうにも違和感があるのですよね。
パソコン操作の話ではなく、リテラシーの問題として語るべきではないかという気がします。
チャットやゲームばかりで、ネット上の情報を検索したり読んだりする機会が少なければ、当然リテラシーは身につきませんよね。
でも、情報を探して取り出すこと、批判的に読んだり、情報を整理して自分の考えをまとめるといったことは読書でも身に付けられることです。だから、本を読んでいる人はパソコン操作に不慣れであっても何とかなったはず。
もちろん、ネットの文章と本とでは当然違うところもあるから、戸惑いはあるでしょう。
インターネットのリテラシーが必要になりますね。
ネット上にはフェイクニュースも多い。
読みやすく整えられた文章ばかりとも限りません。
そういうことを理解して、どうやって信ぴょう性のある情報にたどりつくか、惑わされずに自分の考えを作っていくかというのが重要なのだと思います。
今後、一人一台パソコン導入などICT教育が進んでいくのだと思いますが、ツールの操作ではなく、リテラシーの部分を重視してもらいたいですね。
・・・と、今日はここまで。
読解力の話は来年もまだ続きます〜。
2020年はブログも頑張りたいと思っていますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします☆