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この本、ステキです。高校同級生の、ロシア語翻訳者の有信優子さんが翻訳された『ロシアのマトリョーシカ』(スヴェトラーナ・ゴロジャーニナ著 スペースシャワーブックス)
ロシア人による初のロシアのマトリョーシカ図鑑。美しいマトリョーシカ写真がたっぷり入っています。
見ているだけで楽しい。

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マトリョーシカの歴史についても詳しく書かれていますが、入れ子になった旋盤細工の日本の人形「七福神」が祖先ではないかと言われているなんて知らなかったので驚きました。
ロシアで入れ子になった旋盤細工のマトリョーシカが初めて作られたのは1890年代末だそうです。
日本の人形をヒントにしたとしても、ロシアのマトリョーシカは伝統工芸の土台の上に誕生したものです。画家や民芸作家、伝統工芸業界の人々が努力と工夫で大人気のマトリョーシカにしていきました。
素朴なこけし風のものから豪華な宗教画のようなマトリョーシカまで、さまざまな画風やデザインがあります。
ピース数もいろいろで、16ピースもあるマトリョーシカを図鑑で見るとすごいなーとワクワクしちゃいます。入れ子って面白いですよね。

誕生すると、瞬く間に世界中で愛されるようになったロシアのマトリョーシカ。その人気は今も衰えることがない。それは何よりマトリョーシカのなかに、ロシア人の価値観、美と世界の調和に対する民衆の考え方が表現されているからである。それはまた、人生を肯定的にとらえる伝統技術の特徴ともいえる。マトリョーシカに表れる「くり返し」の思想は、家族、世代、人類というように、命が連綿と続くことを願う人類共通の希望を体現しているのである。(p.56)


世界が平和でありますように。