炎が勢いよく飛び出せば、鎮火はおろか、閉じ込めたり勢いを衰えさせたりすることもできない。
わたしたちの魂も同じように絶えず動いており、強く熱を帯びるほど、その動きや活動が盛んになる。
幸福なのは、その魂によりよいものへと向かう衝動を与えた人だ!(セネカ『ルキリウスに宛てた道徳書簡集』)
――『STOIC 人生の教科書ストイシズム』より



 基本的にあまりやる気のない人間である私も、仕事や趣味に没頭して「やめられない状態」になることがある。寝る時間を削ってもやりたい。人に咎められそうだったら、こっそり隠れてでもやり続けたい。

情熱の炎が燃えているので、簡単に消せないのである。そういうときは明らかに成長のスピードが速い。もしかしたら慎重さを欠いていて失敗は多いのかもしれない。でも、失敗があまり気にならず、「じゃあこっちだ」と別の方法に切り替え、前進するから速いのだ。

 だが、そんなにしょっちゅう燃えているわけではない。むしろなかなか火がつかずダラダラしていることのほうが多い。モチベーションのコントロールは難しいものだ。

どんなときに「モチベーションMAX」になる?
 では、どういうときに人はモチベーションMAXになるのだろうか。

 大きく二つあると思う。

一つは、「知りたい」とき。面白くて、先が知りたくて、やめられない。自分の仕事でも、たとえば宇宙論に関する原稿を書いたときなどは「もっと知りたい、わかりたい」という気持ちが強くてやめられなかった。

 新しい分野の勉強、新しいことへのチャレンジに対しては気持ちが燃えやすいと考えられる。

 もう一つは、「誰かが喜んでくれるのをイメージできる」とき。たとえば、友人に楽しんでもらうためにボードゲームの予習をしたり進行を考えたりするときは、作業に没頭できる。「この展開できっと驚いてくれるぞ」などと思うとワクワクが止まらない。

 つまり、慣れていることであっても、それをすることで誰かが喜んでくれる姿を明確にイメージできれば、やる気に火がつくと言えそうだ。


続きは記事をご覧ください。

職場の「やる気を奪う上司」の残念な特徴・ワースト1




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2024-11-27