今日、わたしはすべての悩みから抜け出した。
というより、すべての悩みを追い払った。
というのも、それは外ではなく内にあり、わたしの意見のなかにあったのだ。(マルクス・アウレリウス『自省録』)
――『STOIC 人生の教科書ストイシズム』より


日々暮らしている中では、何かと悩みは多く心が晴れない。

 モヤモヤとした灰色の雲のようなものが自分の内にある。
これがなくなって、スッキリとした青空になったらどんなに心が軽くなるだろう。

 ストア哲学者のマルクス・アウレリウスは「すべての悩みを追い払った」と言う。これはどういうことだろうか。

 ストイシズム(ストア哲学)は、紀元前300年頃のギリシャで、キティオンのゼノンが確立したと言われている。

 同時期にいくつかの哲学的潮流が発展していく中で、ストイシズムの特徴は「美徳は幸福にとって必要かつ十分なもの」と説いている点だ。お金や地位があろうがなかろうが、内面を充実させれば幸せになれるという。

 そして、自分でコントロールできることに集中し、コントロールできないことに執着しないよう説く。これがメンタルを強くし、内面を充実させることにつながる。

コントロールできることとできないことに分けてみる
 こうした前提で、あらためて自分の悩みを見てみる。

 まず、自分の内にあるモヤモヤを見つめ、一つひとつ取り出して名前をつけてみた。

・肩こりがひどく頭痛がする
・今月、お金が足りないかもしれない
・部屋を片付ける時間がない

 次に、それぞれの原因を書き出し、複数ある原因を「コントロールできること」と「コントロールできないこと」に仕分けしていった。たとえば「肩こりがひどく頭痛がする」ことの原因は……

・目のアレルギーがあり、長時間コンタクトレンズを入れられないため眼鏡と併用している ⇒いったん「コントロールできない」
・仕事机に本を積んでコックピット状態でPCに向かっているため姿勢が固定されている ⇒「コントロールできる」
・運動不足 ⇒「コントロールできる」

 この作業をしていくと、「なんだ、こうすれば解決するじゃん」というものが意外とたくさん見つかった。こういったことをまったくせずに「昔から肩こりがひどいからねぇ。最近とくにひどいけど、なんとかならないものかね」なんて言っていたわけだ。

 一方で、自分でコントロールできないことに関しては、仕方がないので放っておく。

 放っておけばいいので、悩みにはならない。


続きは記事をご覧ください。

【心が疲れたら】メンタルが1秒で「超強くなる」すごい一言・ナンバー1




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