えらそうなことは何も言える立場ではないが、「どうやって売れる本を作るか」というのは常に考えているテーマの一つだ。
「どうやって売れる商品を作るか」。もしくは、「どうやってこの商品をヒットさせるか」。

 これは多くの人に共通している課題だと思う。

 いかにいいアイデア、企画があっても、商品として良いかたちになり、それを欲しい人に発見され、広がっていくようにするには数々の課題がある。一冊の本を作る際にも、著者、編集者をはじめ関わる人みんなで毎回悩んでいる。

 さまざまな方法論はあり、精度の高い作り手は実際にいるわけだが、真似すればみんな成功するというような正解があるわけではない。

できるのは、最善を尽くすこと
 ベストセラーをたくさん出している著者のA先生と打ち合わせをしていたときのことだ。一通り盛り上がったあとで、

「あとは運」

 アッサリそう言うのだった。「最善は尽くしたけど、まぁ、売れるかどうかは運だからね」と。

 そうなのだ。本当に実力があり、その世界のことを熟知している頭のいい人ほどこう割り切っている。

 いい作品にするために考え、話し合い、広めるための方法についても学び、思いつくことは全部やり、最善を尽くしたあとどうなるかは運。「大ヒットした」「ベストセラーになった」という結果を決めるのは、どう頑張っても自分ではない。

 ストア哲学者のセネカは、「賢者は理由を重視し、結果に関心を示さない」と言っている。


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頭がいい人ほどよく使う、「たった4文字」の言葉とは?



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