Sはサディズム、Mはマゾヒズムの略であり、かつては特異な人たちの性的嗜好のことを指していた。しかし、現在は違う。ダウンタウンはじめお笑い芸人が頻繁に使うようになったからか、「SM」はすっかり一般的な言葉となった。
そもそも、「SM」という言葉の産みの親は団鬼六(だんおにろく)。『花と蛇』などの著作を持つSM小説の第一人者だ。1950年代半ばに東京で創刊された風俗雑誌「裏窓」に、副題として「サディズム・アンド・マゾヒズム・コーポレーション」という長い名前がついているのを見て、「長すぎるからSM雑誌とした方がいいのではないか」と提案したのが発端だと言う。
その団鬼六氏による『SかMか』(朝日新聞出版)によると、もともと一人の人間は「S」と「M」の要素を均等に持っている。その均衡が崩れて、Sの方が多くなれば「S」になり、Mのほうが多くなったら「M」になる。自分がSかMかわからない人は10人中8人くらいいるようだ。つまり、均衡を保ったまま一生を終える人である。
団鬼六は自分のことを「S」だと認識しているが、それもS60%でM40%の「S」だそうだ。だから、Mの気持ちもわかり、小説が書ける。

続きを読む
そもそも、「SM」という言葉の産みの親は団鬼六(だんおにろく)。『花と蛇』などの著作を持つSM小説の第一人者だ。1950年代半ばに東京で創刊された風俗雑誌「裏窓」に、副題として「サディズム・アンド・マゾヒズム・コーポレーション」という長い名前がついているのを見て、「長すぎるからSM雑誌とした方がいいのではないか」と提案したのが発端だと言う。
その団鬼六氏による『SかMか』(朝日新聞出版)によると、もともと一人の人間は「S」と「M」の要素を均等に持っている。その均衡が崩れて、Sの方が多くなれば「S」になり、Mのほうが多くなったら「M」になる。自分がSかMかわからない人は10人中8人くらいいるようだ。つまり、均衡を保ったまま一生を終える人である。
団鬼六は自分のことを「S」だと認識しているが、それもS60%でM40%の「S」だそうだ。だから、Mの気持ちもわかり、小説が書ける。

続きを読む