小川晶子の日常と本の話

ブックライター、絵本講師の小川晶子の日々の記録。本のこと、絵本のこと、育児のことなど書いています。

哲学

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『オタク偉人伝』(著者:小川晶子 イラスト:のぶみ アスコム)


『〈世界史〉の哲学 古代篇』を読みながら5〜7(存在としての無、真理と犬、まとめ)

<世界史>の哲学 古代篇
大澤 真幸
講談社
2011-09-21



大澤真幸氏の『<世界史>の哲学 古代篇』、読み終わりました。

フェイスブックのほうで、その都度思ったことや覚えておきたいことをメモしたものまとめです。

*これまでのまとめはこちらです。

『〈世界史〉の哲学 古代篇』を読みながら1・2(守銭奴、美と崇高)
『〈世界史〉の哲学 古代篇』を読みながら3・4(西洋とは、カエサルとイエス)

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『〈世界史〉の哲学 古代篇』を読みながら3・4(西洋とは、カエサルとイエス)

<世界史>の哲学 古代篇
大澤 真幸
講談社
2011-09-21





大澤真幸氏の『<世界史>の哲学』を読んでいます。
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『〈世界史〉の哲学 古代篇』を読みながら1・2(守銭奴、美と崇高)

<世界史>の哲学 古代篇
大澤 真幸
講談社
2011-09-21



フェイスブックのほうで、本を読みながら、その都度思ったことや覚えておきたいことをメモしています。

今回は、『<世界史>の哲学』を読みながらのメモまとめ。

内容はけっこう難しいんですが、感想(っていうかメモ)は気楽に書いていますので気楽に読んでみてください〜

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無駄会議会議、音楽と宗教と文章

1月17日の「イカスヒト無駄会議」にむけて、齋藤寛さんと会議。

なにをもって「無駄」と言うか?

近代合理主義、いきすぎた個人主義が自分たちを苦しめているような現代の日本において、宗教性あるいはスピリチュアリズムあるいは道の精神を再考し、あらためて「無駄」を考えたいのだ!と息まく私に、音楽・音環境がご専門の立場からまたあらたな視点をくださった。

曰く、宗教(機能)と音楽は似ている。

音楽はそもそも個人的なものでなく、共同体をつなぐ役割を持っていた。地域の歌、組織の歌というのは必ずあるでしょう?

録音した音楽をポータブルプレイヤーで再生し、自分一人で完結するというのは、最近のことなのだ。

ははぁ〜
確かに〜。

(詳しくはイベント「イカスヒト無駄会議」にて。)


いろいろ話して、話はドンドン飛んで、「どうすればいい文章を書けるのか」なんていうテーマになりました。

私は文章を添削したりすることもあるのですが、何が言いたいのかわからない、読みにくい文章は「構造」が意識されていないと思うんですね。(ある程度まとまった、何かを伝えようとしている文章においての話です)

文章を読むときも、書くときも「構造」を意識することって大切だと思います。
私はプロになってからようやく気付いたのですが・・・。コラムなど書くときは、最初にその構造メモを作ってから書くようにしています。
思いつくままに書いてはダメなのです。取材記事も同じで、取材相手が伝えたいことは何なのかを構造でとらえていく作業が必要になります。

齋藤さんもそう思って、文章を書くときは意識しているそうです。

齋藤さんは文章が上手で、以前から「なんだか音楽みたいな文章を書かれる人だなぁ〜」という印象を持っていたのですが、ここでピンときました。

そういえば、音楽も構造ですね!

「メロディを思いつくままにアウトプットしていたら音楽にはならないですよね。テーマがあって、その繰り返しがあって、そこに向かう音、終わる音があって、構築されていくのです」
(正確じゃないけど、だいたいこんなことをおっしゃってました)


すごく楽しい会議となりました。齋藤さん、ありがとうございましたー!

1月17日のトークライブもすごく楽しみです。



1月17日 イカスヒト無駄会議 in ネイキッドロフト
〜これからの無駄について考えよう〜


【出演】
小川晶子、吉田朱音
【ゲスト】
あかはねみき(ライフオーガナイザー)
河村甚(チームビルディングジャパン代表)
齋藤寛(音環境コンサルタント)
スザンヌみさき(ニューハーフ)
*ゲストについて詳しくはこちら

日時:1月17日(木)19:00〜21:30(open18:00) 場所:ネイキッドロフト
    東京都新宿区百人町1-5-1 百人町ビル1F
    定員:35名
チケット:前売り2,000円 当日2,500円(飲食別)

チケットの予約は
03-3205-1556(16:30〜24:00)
またはウェブから



<プログラム>

19:00〜19:50 第1部 無駄ってなんだ?
          ゲスト:あかはねみきさん、スザンヌみさきさん

20:00〜20:25 第2部 宗教から読み解く無駄エトセトラ

20:25〜20:30 休憩 無駄なものプレゼント大会

20:40〜21:30 第3部 これからの無駄について考える
          ゲスト:河村甚さん、齋藤寛さん



*プログラムは予告なく変更になる場合がございます。


チケットの予約は
03-3205-1556(16:30〜24:00)
またはウェブから



ぜひ遊びに来てくださいね!

死者との和解〜「日本人は何を考えてきたのか」重松清×柳田国男

Eテレで、「日本人は何を考えてきたのか」というシリーズをやっています。

録画しておいたものをちょっとずつ見ているんですが、すごく面白いです。
1月20日は福岡伸一さんが西田幾多郎についてナビゲートするので、とっても楽しみ。)

第7回は、「魂のゆくえを見つめて〜柳田国男 東北をゆく〜」と題し、作家の重松清さんが民俗学者柳田国男の思想を追って、東北を旅していました。

重松清さんといえば、最近私はこの本に感動していたところで。

希望の地図
希望の地図


3.11のあと、重松さんが被災地に何度も足を運び、取材して書いたドキュメント・ノベルです。重松さんはもともと、田村章のペンネームでルポライターをやっていたんですよね。この本には、田村章というフリーライターが登場します。
ああ、ルポルタージュの人なのだなぁと、その粘り強く綿密な取材にも感銘を受けたのでした。

その重松さんが、被災地を訪れながら柳田国男の思想を追い、鎮魂と記憶の伝承という課題に取り組むというのが今回の番組です。

とくに印象深かったのが、柳田国男の代表作「遠野物語」99話から「死者との和解」について考えていったことでした。

「遠野物語」99話は、こんな話です。

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福二という男は海岸の田の浜に婿に行ったのだが、先年の津波で妻と子を失った。
生き残った2人の子と元の屋敷の場所に小屋を作って住み1年あまりたった。
夏の初めの月夜、福二は便所に行くために起きた。離れた場所にあるので、渚を歩いていると、霧の中から男女二人が寄り添っているのが見えた。女はまさしく妻だった。思わず跡をつけてしばらく行き、名前を呼ぶと振り返って女は微笑んだ。男を見ると、やはり津波で亡くなった同じ里の者だった。福二が婿に行く前に妻が心を通わせたと聞く男だ。妻が「今はこの人と夫婦なの」と言うので、「子供はかわいくないのか」と聞くと顔色を変え、泣いた。
悲しく情けなくなって足元を見ていたら、男女はそこを立ち退いて見えなくなった。追いかけようかとしたが、妻は死んだのだと気づいて、夜明けまで道で考え、朝になって帰った。

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*この文章は以下の本より、私が意訳しています。
柳田國男 [ちくま日本文学015]
柳田國男 [ちくま日本文学015]



赤坂憲雄(学習院大学教授) :「いま被災地で、幽霊との遭遇の話はあちこちで語られています。それは生きている人にとってどういう意味を持つのだろうかと考えたとき、『死者との和解』なのではないかと思いました。震災によって時間は断ち切られ、もう戻ることはできません。そこで凝固してしまった関係の記憶を解きほぐすことができないんです。だからこそ、幽霊というかたちでも、会いたいんだと思います。言葉を交わしたいのです。」

福二さんは、妻への疑いを持ったまま、妻を亡くしてしまった。

重松:「福二さんは奥さんのことが好きで、現世では一緒になっていた。でも、亡くなったあとの世界で、奥さんが本当に好きだった人と夫婦にしてあげたわけですよね。奥さんの心を我がものにできない苦しみを抱えながらも、あの夜に出会ったことで、福二さん自身も救われたのではないでしょうか。救いとゆるしの物語なのですね。現代でも必要なことだと思います。」


死者はどこにいくのか。魂はどこにいくのか。

柳田国男の他界観について語られていきます。柳田は、家や田を単位にして祖先の霊となり、丘の上から見守ると考えます。

それから、もう一つ印象的なシーン。

宮城県南三陸町志津川にある防災対策庁舎を訪れた重松さんと赤坂さんは、その防災対策庁舎にある祭壇に向かって手を合わせているおじさんを見ます。

おじさんはまず、そなえてあるペットボトル飲料を一口飲み、祭壇に向かって掲げました。
それから帽子をとって手をあわせ、丁寧に右、真ん中、左とお辞儀をしました。

重松:「いま一番宗教的な作法をおじさんがやったような気がします。」


おじさんは、ペットボトル飲料を一緒に飲んでいたのです。亡くなった方々と一緒に。

それは、死者とともに生きている、という感覚でした。


これって実は、日本人が昔から持っていた感覚なのではないか……。

おじさんの仕草に、私は少なからぬ衝撃を受け、その背後にあるものに畏敬の念を抱いたのでした。



重松:「死者とともに生きるというのは、一般的な言い方をするなら、記憶を持ちながら生きるということだと思うんですね。我々は3.11の記憶をどんなふうに持つのか。これから考えなければなりませんね。」



このシリーズ、書籍化もされているようです。

日本人は何を考えてきたのか 明治編―文明の扉を開く
日本人は何を考えてきたのか 明治編―文明の扉を開く


日本人は何を考えてきたのか 大正編―「一等国」日本の岐路
日本人は何を考えてきたのか 大正編―「一等国」日本の岐路




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ご予約受付中!

1月17日 イカスヒト無駄会議〜これからの無駄について話そう〜

新宿ネイキッドロフトにて、イカスヒト新年イベント!
豪華ゲストとともに、さまざまな立場から「無駄って何だろう?」と語り合うテツガク的な2時間半。

詳しくはこちらをご覧ください。

1月17日トークライブ「イカスヒト無駄会議」やりますよー

日本の小春日和〜マイケル・サンデル「これからの日本の話をしよう」

Eテレでやっていた、「マイケル・サンデル 5千人の白熱教室」を見ました。
0103マイケル・サンデル


東京国際フォーラムで行った特別講義の模様を前後編に分けて、1月2日・3日に放送したものです。

前編は「すべてをお金で買えるのか」。市場原理が介入すべきではないものもあるのではないか?という話。5千人もが集まって、しかも日本で「ハーバード白熱教室」をやるのだから、かなり難しいのでは・・・という懸念をふっとばす素晴らしい議論でした。

民主主義を問い直す際の、肩ならし的な(かつ深くて面白い)テーマだったのだと思う。いきなり後編のテーマである「これからの日本」の話をするのは難しいから。

私も、前編は冷静に、純粋に議論を楽しむことができました。

後編は「これからの日本の話をしよう」。
原発再稼働を認めるか?電気料金値上げを認めるか?震災は避けられたか?
正面切って、5千人で議論するのだからすごい。
さまざまな意見が出る中で、前編のときとは違って感情が高ぶり、あまり冷静でいられない自分を感じます。
「ちょっと、それ本気で言ってるのー?」みたいな。汗

しかし、さすがサンデル教授。すべての意見に感謝の意を述べ、視点を提供したこと、論点が浮き彫りになったこと、議論が発展したことを評価していました。

最後の質問の「震災は避けられたと思うか」に対するやりとりが私としては面白かった。

会場の全員が「避けられなかった」なら白を「避けられた(人災であった)」なら赤の札を挙げるというシステムで参加します。

大多数が赤、つまり「避けられた」という意見でした。

少数派の「避けられた」側として発言したアキコは、「人のせいにしたくないから、『避けられなかった』を選んだ」と言いました。国や東電のせいにするのはラクだが、それでは何も変わらない、今回の主題となる「民主主義」に到達できない、と。

最後に発言したマサツグ(40歳)の意見は「避けられた」。しかし、アキコと同意見だと言います。

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災害そのものは避けられない。けれど、その後の被害拡大は避けられたはずだ。国の管理体制や東電の問題は、「国が悪い、東電が悪い」ということではなく、僕らが声をあげて変えていくことができる。
実際には難しいし、諦めてしまっているところがあるだろう。しかし、手段はあるのだ。

身の回りのことを考えてみると、以前に比べ、ブログやフェイスブックなどで自分の意見を言う人が増えた。
小さな声かもしれないが、積み重なればムーブメントになる。
さきほどの質問「政府とブログ・ツイッターのどちらを信頼するか」では、ツイッター・ブログを信頼するという人が半数いた。マスメディアからの情報を受け取っていただけの状態から、自ら情報をとりにいったり、発言するようになっているというのは大きな変化なのだ。

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だいたいこんな話をしました。

その中で彼は「中東での話もありますし・・・」と言ったので、サンデル教授はそれを拾って、
「アラブの春ならぬ、日本の春ということかな?」と聞きました。

それに対する答えがよかった。

「春・・・まではいっていないと思うので、小春日和くらい。」

笑いが起きました。


サンデル教授はこの「小春日和」を使いながら、まとめます。

声をあげ、何かを変えようとする意識を持った人が増えているとするなら、これは日本の民主主義にとって新たな始まり、新たなきっかけになるのではないか。日本の春と呼ぶにはまだ早くて、小春日和かもしれない。私はこのことに希望を感じている、と。




日本の小春日和って、いい表現だなぁ。

マサツグに拍手。

新しい季節への希望を感じながら、番組を見終えてブログに書き記した次第です。



こんな白熱教室をやりたいと思って、1月17日は「イカスヒト無駄会議〜これからの無駄の話をしよう〜」を開催します。トークライブハウス、新宿ネイキッドロフトにて。

はい、「これからの無駄の話をしよう」というサブタイトルははサンデル教授へのオマージュ(?)です。

チケット予約受付中です。ぜひ参戦してください〜。

詳しくはこちらです。

1月17日トークライブ「イカスヒト無駄会議」やりますよー






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